1.相続税の納付は原則金銭

相続税の納付については原則として金銭です。

しかし、不動産や非上場の株式を相続した場合でこれらの価値が遺産の大部分を占めるような場合には、多額の相続をしておきながら納める金銭が手元にないということがあります。

この場合に例外的な処理として延納と物納という制度が認められています。

2.延納

延納とは、相続税を一括で支払うのが難しい場合に、分割払いにしてもらう制度のことをいいます。

相続税は金銭を一括で支払うものですが、年賦での分割払いにすることを例外的に認めています。

2-1.要件

延納をするためには

・一括での納付が困難であること
・相続税額が10万円以上であること
・税務署に申請をすること
・担保を提供すること

以上の3つの要件を充たすことが必要となります(相続税法第38条)。

2-2.延納ができる期間

延納ができる期間は、相続した遺産のどれくらいを不動産が占めているかによります。

不動産の割合が50%以下の場合:5年以内
不動産の割合が50%以上75%未満の場合:動産の部分について10年以内 不動産の部分について15年以内
不動産の割合が75%以上:動産の部分について10年以内 不動産の部分について20年以内

2-3.利子税

延納をする場合には、利息に該当する利子税の支払いも必要となります(相続税法第52条)。

3.物納

物納とは、金銭の支払いのかわりに、遺産を直接引き渡すことで相続税の納付とする制度です。

3-1.物納の要件

物納をするためには次のような要件を充たす必要があります。

・一括での支払いが難しいこと
・物納に充てることができる遺産であること
・物納の申請を行うこと

3-2.物納に充てることができる遺産

物納に充てることができる遺産については、相続税第41条第2項に規定されています。

主なものとしては、

・不動産
・国債・車載・株券などの有価証券
・動産

などが挙げられます。

ただし、物納をしようとしたものが、相続税法45条1項に規定する「管理処分不適格財産」に該当する場合には物納はできません。

3-3.物納申請期限

物納は相続税の申告期限までに納付しなければなりません(相続税法第42条第1項)。

申請がされると、提出期限の翌月から3ヶ月以内に、税務署長が許可・却下の決定をします(相続税法第42条第2項)。

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相続税に関するよくある質問

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った日から10カ月とされています。 例えば、被相続人が2020年1月3日に亡くなったとしたら、2020年11月3日が相続税の申告期限となります。 また、10か月後の申告期日が土曜日・日曜日・祝日の場合これらの曜日の翌日となりますので予め確認しておくようにしましょう。
相続税の基礎控除額の計算は、「3,000万円+(600万円)×法定相続人の人数」となります。 例えば、法定相続人が、配偶者と子どもの計2人だとしたとき「3,000万円+(600万円)×2」となり基礎控除額は4,200万円となります。相続財産が5,000万円の場合、「5,000万円-4,200万円=800万円」となるため、800万円分の納税を行うため、相続税申告が必要となります。 また、第1順位の配偶者・子供のうち子供が相続放棄をした場合、第2順位である故人の両親へ相続権が移行し、法定相続人となります。しかし計算上では相続放棄をする前の人数で計算をするため、故人の両親が両方存命中の場合であっても法定相続人は3人ではなく相続放棄をする前の人数(2人)として計算する点に注意が必要です。
相続税の時効は5年または7年とされています。5年と7年の違いは「善意の相続人・悪意の相続人」のどちらであるかによって変わります。善意の相続人とは、相続税申告が必要であることを全く知らなかった方や、被相続人と疎遠になっており連絡手段すらなく相続開始を知らないような方です。この際、税務署が善意の相続人と認め、かつ相続税の申告期限が過ぎてから5年が経過しても税務署からの通知が来ない場合は善意の相続人とされます。 悪意の相続人とは、相続税を申告し納税する義務があることを知っていたにもかかわらず相続税の申告及び納税をしなかったことで、税務署から通知等を受けた相続人のことです。 相続税の申告をしていなくても、税務署に相続調査をされてしまえば高確率で相続税の申告をしていないことが発覚します。 このような場合、最大で40%(重加算税)の課税をされてしまうケースもあるので注意が必要です。
障害者の方が相続人となる場合、障害者控除が適用されます。 障害者控除とは、一般障害者の場合「85歳になるまでの年数×10万円」の金額が減額されます。 また、特別障害者の場合の控除額は「85歳になるまでの年数×20万円」とされています。 未成年の場合は、未成年控除が設けられており「20歳になるまでの年数×10万」としています。 また、年齢に1年未満の期間がある際は1年として計算をします。これは障害者控除も同様となるため予め押さえておきましょう。
未成年のお子さんがいる場合、お子さんの代理人を選任してもらう必要があります。未成年のお子さんがいる場合は、そのお子さんの代わりに親権者(今回は母である奥様)が分割協議を行いますが、奥様とお子さんが共同相続人になている場合は、奥様の利益とお子さんの利益が相反するからです。そのため家庭裁判所に特別代理人の申立てを行います。 選任後、その方と奥様とで遺産分割の協議をすることになります。

相続税に関する当事務所の弁護士監修コラム

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