相続対策において不動産はどのように活用できるのでしょうか。

相続税を計算する際の不動産の評価額のルールは、実際に売買される価格よりも2割~3割程度安くなっています。

そのため、現金・預貯金などの流動性が高い状態で持っているよりも、不動産として持っているほうが、価格が下がります。


また、不動産を賃貸すればその分不動産としての価格が下がります。

不動産の取得をすることとあわせて節税効果の高い対策には次のようなものがあります。

1.相続時精算課税制度を利用する

相続時精算課税制度とは、贈与税に関する制度で、60歳以上の親・祖父母から20歳以上の子ども・孫に対して2,500万円までの贈与については、贈与税を非課税として、相続時に清算をするものです。


2,500万円を超えた贈与についても20%という低い相続税率になっています。

将来値上がりが確実な不動産を与えれば、値上がり分については相続人に移転することができます。

また収益物件については、贈与後の収益は受贈者が受け取ることになるので、収益分について移転することができます。


しかし、この制度による贈与をすると、暦年贈与が利用できなかったり、相続時に小規模宅地の特例を利用することができない、物納をすることができないなどのデメリットもありますので、利用には注意が必要です。

2.住宅取得資金贈与を利用する

同じく贈与税に関する非課税の制度で、住宅取得資金贈与を利用することも節税になります。

住宅取得資金贈与は、父母・祖父母からの住宅取得のための資金の贈与について、最大で3,000万円までの控除を行うものです。

子どもが住宅を取得するという形で贈与を行うものです。

3.夫婦間の贈与の配偶者控除

婚姻期間20年以上の夫婦の間で、居住用不動産を贈与する場合や、居住用不動産を取得するための資金の贈与をする場合には、基礎控除の110万円のほかに、最高2,000万円までが控除されるものです。

4.小規模宅地等の特例を利用する

小規模宅地の特例とは、事業の用または住居の用に供していた宅地について、相続の際の不動産の評価額が、最大で80%減額されるものです。

相続人と被相続人の中の誰かが同居をしているような場合で、被相続人が亡くなった後も相続人がなお居住をするような場合に有効な特例です。

4-1.遺言書を残しておく

この小規模宅地等の特例をうける場合には、相続税申告時に遺産分割が終了している必要があります。

遺産分割の協議が調わず、調停や審判という法的な手続きにすすんでしまい、相続税申告の10カ月の期間以内に間に合わない場合があります。

この場合には、一度法定相続分で計算して小規模宅地の特例を利用せずに納税を行い、遺産分割が終了した後に更生の請求をすることがあります。


そのため、頑張って自分で申告するにしても、税理士に依頼するにしても、手間・費用がかかることを防ぐためにも、遺言書を残しておくことが望ましいといえます。

どのような遺言書の形式でも良いのですが、争いになりやすい自筆証書遺言を行うよりも、公正証書遺言を行っておくことが望ましいでしょう。

5.会社を設立し、会社で不動産を所有する方法

会社を設立して、会社で不動産を所有しておく方法があります。

今もっている不動産を出資して株式会社を設立し、その会社が不動産を賃貸します。

会社の役員には家族に就任してもらって、得た不動産の賃料収入が役員報酬となって分配されることになります。

会社として、中小企業退職金共済(中退共)に加入すれば、共済金を損金計上しながら、退職金を作ることも可能となります。

6.地積規模の大きな宅地の評価を利用する

「地積規模の大きな宅地の評価」とは、平成30年1月1日以降の相続について適用されるもので、一定の要件を充たす宅地について、評価減ができるものです。

対象となる不動産は、三大都市圏においては500㎡以上の地積の宅地、それ以外の地域においては1,000㎡以上の地積の宅地です。


市街化調整区域にあるなどの一定の宅地について除かれる土地もあるので、注意をしましょう。

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