相続関係説明図は何のために必要?書き方は?
ざっくりポイント
  • 相続関係説明図とはどのようなものか
  • 相続関係説明図が必要な理由
  • 相続関係説明図の作り方
目次

【Cross Talk】相続関係説明図ってどういうもの?

先日父が亡くなり母と私で相続をすることになりました。手続きをしているのですが「相続関係説明図」の存在を知りました。私の相続でも必要なのでしょうか?

金融機関によっては預金等の解約手続きの際に必要になります。不動産の相続登記移転の際には、必ずしも必要ではないですが、相続関係説明図があれば戸籍謄本の返還を受けることができるので、便利です。亡くなられたお父様は不動産をお持ちでしたか?

はい、父の遺産には自宅がありますので相続登記をする必要があります。詳しく教えてください。

不動産の相続登記等をする際に作成するのが相続関係説明図

被相続人の遺産に土地・建物・マンションなどの不動産がある場合、名義移転の相続登記をすることになります。相続登記をする際、相続人であることを証明するために戸籍謄本を提出することになります。戸籍謄本はいろんな相続手続きに必要となるため、提出した戸籍を返還してもらえないと不便です。そこで、相続関係説明図を添付書類として一緒に提出すれば、戸籍の代わりとして扱ってもらえるので、戸籍謄本の原本を返してもらうことができます。このような手続きを原本還付といいますが、原本還付を受ける場合に、相続関係説明図が必要になります。

相続関係説明図とは?

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続関係説明図はどういうものか
  • 相続関係説明図は何故必要なのか

相続関係説明図はなぜ必要なのでしょうか?

相続登記をする際には戸籍謄本の提出が必要なのですが、戸籍謄本は預金の解約手続きや、相続税申告といった様々な相続に関する手続きで必要となります。 そこで、原本還付という、提出した戸籍謄本を返してもらう手続きがあります。この手続きの際に、相続関係説明図の提出が必要になります。

相続関係説明図がどのようなものか確認しましょう。

相続関係説明図の内容

相続関係説明図とは、相続登記をする際に法務局に提出する添付書類の一つで、被相続人と相続人の関係を図にしたものです。 相続関係説明図は、被相続人と相続人が、どのような関係にあるのかを一覧で確認することができます。 相続人が複数人いる場合、大量にある戸籍謄本から把握するのは手間がかかることがあります。相続関係説明図があることによって誰が相続人なのかということや被相続人との関係が把握し易くなり、手続きがスムーズに進めることができます。

法定相続情報一覧図との違い

よく似た書面として法定相続情報一覧図というものがあります。 法定相続情報一覧図は、法務局での認証を受けることで、戸籍謄本の代わりとして各相続手続きで利用できる書面です。 相続登記や預金解約等の相続手続きでは、戸籍謄本一式の提出が必要になりますが、法定相続情報一覧図があれば、法定相続情報一覧図を一枚提出すれば代わりになります。 他方、相続関係説明図は、あくまで相続人と被相続人の関係を把握しやすくするものであり、相続関係説明図だけで手続きをすることはできません。

相続関係説明図が必要な理由

相続関係説明図は何故必要なのでしょうか。 相続登記をする際には様々な書類が必要なのですが、その中に戸籍謄本があります。 戸籍謄本は被相続人と相続人との関係を証明する公的な書類で、銀行口座の解約や相続税の申告など、様々な相続手続きに利用されます。

相続手続きの際、戸籍謄本としては被相続人の出生から死亡までのもの、相続人の現在戸籍の全てが必要となり、収集すべきものが多く手間がかかります。 様々な手続きで必要だからといって、何通も取り寄せると費用もかかってしまいます。 そのため、相続手続きにおいて、戸籍謄本を申請者に返却する「原本還付」というシステムがあります。 相続登記においても同様で、原本還付によって提出した戸籍謄本を返却してもらうことが可能です。 この原本還付を受けるためには、戸籍の代わりに戸籍のコピーか戸籍の内容を正確に反映した相続関係説明図が必要になります。

戸籍謄本の枚数が多い場合、そのコピーを提出することが手間になりうるので、そのようなわずらわしさを避けつつ、原本還付を利用するのであれば、相続関係説明図を作成した方が良いでしょう。

相続関係説明図の書き方

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続関係説明図を作成するために必要な情報の集め方
  • 相続関係説明図の作成方法

では実際に相続関係説明図はどうやって作成するのでしょうか。

相続関係説明図に何を書くべきか、どのように書くべきかをお伝えします。

相続関係説明図の作成方法を確認しましょう。

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を集める

相続関係説明図を記載する前提として、誰が相続人なのかを確定する必要があります。

例えば、被相続人が死亡した時点の戸籍が東京都新宿区にあるが、以前は大阪市に居住しており、その頃に結婚し妻子ができたというような場合、大阪市の戸籍まで遡る必要があります。そのため、被相続人の出生から死亡するまでの戸籍謄本を全て収集します。 戸籍謄本には、戸籍全部事項証明書・除籍謄本・改製原戸籍謄本などの種類があります。

まずは直近の戸籍謄本を取り寄せ、そこに書いている記載から一つ前のものに遡っていく方法をとります。 転出してきた場合には、転出前の住所を確認します(結婚をして新しく戸籍を作成した場合には従前の筆頭者も確認します)。改製により新しくなった場合には、改製原戸籍謄本を取得します。 このような形で一つずつ遡り、出生までの戸籍を収集します。

相続人の戸籍謄本を集める

次に相続人の戸籍謄本を取得します。 被相続人の相続人であることを証明できるような形で戸籍を集めます。 配偶者ならば、結婚してから現在までの戸籍を全て収集します。 子どもであるならば、両親のもとに生まれた戸籍から現在までのものを全て収集します。

集めた資料から被相続人と相続人の関係を明らかにする

全ての戸籍を収集することで、親族関係および出生や居住地などに関する情報が明らかになります。 どの人が長男なのか長女なのかといった事項のほかに、住所、生年月日も相続関係説明図に記載しますので、戸籍謄本から情報を抜き出します。

法定相続人を確定する

最終的に法定相続人を確定します。 法定相続人というのは、法律の規定で相続人となる人のことです。

相続関係説明図の書き方とサンプル

最後に相続関係説明図を作成します。 作成方法について法定するものはありませんが、一般的には次の通りになります。 ここでは、
父:新宿太郎
母:新宿花子
長男:新宿一郎
長女:新宿正子
次男:新宿二郎
という家族構成において、父新宿太郎さんが亡くなったときの相続関係説明図で説明します。
相続登記に必要な相続関係説明図とは?書き方は? 被相続人と配偶者の婚姻関係については二重線で、その他は一本線でつなぐ形で記載をします。 被相続人に関しては、氏名・生年月日・死亡した年月日・最後の住所を記載します。 相続人は続柄・氏名・生年月日・住所を記載します。最後に作成した者が作成日付を記入した上で、記名・押印を行います。

相続関係説明図作成の際の注意点

書面のタイトルについて法定するものはありませんが、わかりやすいように「被相続人 新宿太郎 相続関係説明図」としています。 被相続人に関する情報 被相続人(=亡くなった人)の氏名、生年月日、死亡日、最後の本籍地・住所地の記載を行ないます。 氏名は戸籍謄本に記載がある通りに記載します。 相続人に関する情報 相続人の氏名、生年月日、現在の住所を記載します。 氏名は戸籍の通りに、住所は住民票の通りに記載します。 続柄は家族の関係が分かるものですが、戸籍謄本に乗っている続柄を書けば良いです。

提出先

相続関係説明図は、相続登記をする際に一緒に法務局に提出します。 相続登記をする際に、添付書類として戸籍謄本が必要なのですが、戸籍謄本は他の手続きでも利用するため、戸籍謄本を返してもらう(原本還付)ために、相続関係説明図が必要となるためです。

まとめ

このコラムでは相続関係説明図についてお伝えしました。 相続関係説明図は、遺産に不動産があり相続登記を行う際に、戸籍謄本の原本還付を受けるために作成する書類であることを覚えておきましょう。

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この記事の監修者

弁護士 水本 佑冬第二東京弁護士会 / 第二東京弁護士会 消費者委員会幹事
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