残された妻が生活に困るケースや生前できる対策を確認しよう
ざっくりポイント
  • 残された妻が生活に困るケース
  • 妻が生活に困らないようにするための対策
目次

【Cross Talk】残される妻が心配!何か対策はないですか?

私の相続について事前の対策をしたいと考えています。 私には妻がいるのですが、脳梗塞の後遺症があり日常生活に介助が不可欠です。 そのような中、私にもガンが見つかりまして、妻が生活に困らないように生前の準備をしておきたいと考えています。

生前の準備で相続がかなり楽になると考えられます。きちんとした生前準備をサポートします。

夫が亡くなり、妻が生活に困るケースを知って対策を考えよう

相続人である妻が相続を機に苦しい立場におかれるケースはいくつかあります。 そのケースについて知っておいた上で、事前にできる対策、相続が発生してからできる対策を知っておきましょう。

残された妻が生活に困りそうなケース

知っておきたい相続問題のポイント
  • 夫が亡くなると困るケースとは

一般的に、夫が先に亡くなることで残された妻が生活に困るケースにはどのようなものがありますか。

次のような場合に、生活に困る可能性があります。

夫が先に亡くなることで、残された妻が生活に困るケースをまず把握しましょう。

妻の身体などに障害があり相続の手続きを行うのが難しそう

老々介護という言葉もありますが、相談者の妻のように身体や精神に障害がある場合や、生活を夫に頼っていたような場合、夫が亡くなることで生活すること自体が大変になる場合があります。

家族関係が円満でない場合

家族関係が円満では無く、妻子で対立してしまっているような場合には、相続の際争いになる可能性があります。争いにより相続手続きが長引くと遺産の名義変更などに影響し、妻の生活に支障をきたすことが考えられます。

子供がおらず夫の両親が健在である場合

子供がいない場合で夫の両親が健在である場合には、両親と配偶者である妻とで共同相続をすることになります。配偶者と子に比べ、関係が浅い者同士で共同相続をする場合には、争いが発生する可能性があります。

子供がおらず夫に兄弟姉妹がいる場合

同じく子供がいない場合で両親・祖父母も既におらず、兄弟姉妹がいるような場合には、配偶者である妻と兄弟姉妹は共同相続人になります。兄弟姉妹と妻という関係になると両親よりもさらに遠い関係になります。

被相続人の不動産など流動性があるものではなくて、お金で相続したいという主張を強固にしてくる場合もあり、妻が困ってしまう場合もあります。

全財産を愛人などの第三者に遺贈を行うような場合

今回の相談者の状況とは異なりますが、夫が実は不倫をしており遺言で愛人へ遺産を譲る旨を記載していたり、宗教団体に寄付するという意向が書かれていたりする場合もあります。 このような場合には遺留分侵害額請求を行う等の行動を起こさなければ、遺産を一切相続できなくなってしまいますので、後述する対応策をとることが必須です。

妻が生活に困らないようにするための対処法

知っておきたい相続問題のポイント
  • 夫が亡くなると困る場合の対処法

夫が先に亡くなることで残された妻が生活に困るケースは把握できました。対処法について教えてください。

種類としてはたくさんあるので、どのようなケースに有効かを見ておきましょう。

夫が亡くなったときに妻が困らないための対応策について見てみましょう。

生前贈与をしておく

夫名義の財産が多く、そのまま亡くなってしまうと葬儀・妻の当面の生活費などに困る場合に検討しましょう。妻が専業主婦である場合などは、固有の財産が少ない場合があります。 そのため、妻が手続きするのが難しい場合や、相続で揉めることが予想される場合などに備え、遺産分割が終わるまでの生活資金を確保する必要があります。

生前贈与で妻に遺産を譲っておくことが一つの対策になります。 ただ、生前贈与は贈与税の基礎控除額である110万円を超えると課税されることや、生前贈与によって相続税で税金が安くなる制度が扱えなくなることもあるので、贈与にあたっては慎重に行うようにしましょう。

遺言しておく

遺産分割手続きは遺言書がない場合に必要となります。 遺言をしておくと、遺言の内容どおりの相続とすることができるので、遺言で妻の生活が有利になるようにしておくことができます。

なお、遺言で全財産を妻に譲ると記載をすると、子や親が相続人である場合には遺留分を侵害することになり、遺留分侵害額請求の対象となります。なお、兄弟姉妹が相続人の場合には遺留分はありません(民法1042条)。

遺言執行者をつけておけば、遺言に記載されていること(例:不動産の名義変更)は遺言執行者が行ってくれるので、手続的な負担を減らすことが可能となります。

死後事務委任契約を結んでおく

人の死後には相続だけではなく、亡くなった人が契約していたものの解約手続きなど、非常に多くの手続きが発生します。

妻の体調がすぐれず入院生活となっているような状況だと、このような手続きをするのも一苦労となってしまいます。「専門家に依頼するのも費用がかかるから頑張って自分でやらなきゃ…」と負担をかけてしまうのであれば、自分の死後にそのような手続きをしてくれる人と契約をしておくことがおすすめです。 このような契約の事を死後事務委任契約といいます。

民事信託を利用する

財産を持っている人(委託者)が、利益を与えたい人(受益者)のために、財産の管理をしてくれる人(受託者)に管理をしてもらうことを、民事信託(家族信託)と呼んでいます。 たとえば、自分が認知症にかかってしまい、自分の財産で認知症を患った後の自分や家族のために、資産を管理してほしい時などに利用します。

預貯金の仮払いの制度を利用

被相続人が死亡した後に、預貯金は凍結されることになっています。 預貯金は相続人の共有財産として遺産分割の対象となり(最高裁平成16年4月20日判決)、共有者が一人で引き出すことはできなくなっています。

その結果、夫の預金口座を使って妻が生活をしていたような場合に、遺産分割まではお金が引き出せないという状態になっていました。 しかし、民法の改正によって、預金の1/3の額で上限150万円まであれば、銀行預金を引き出すことが可能となっています(民法909条の2)。

遺留分侵害額請求・遺言無効確認で争う

夫が愛人に全額を遺贈するなど第三者への遺贈をする遺言を遺していた場合には、直ちに遺留分侵害額請求を起こすことになります。 遺留分侵害額請求は1年の時効があるので(民法1048条)、なるべく早く取り掛かる必要があります。 遺言の内容がおかしいような場合には遺言は無効であるという争い方をすることも可能です。

まとめ

このページでは、夫が先に亡くなることで相続の際、妻が困ってしまうケースとその対処法についてお伝えしてきました。相続は厳格な制度になっており、突然生活が一変してしまうこともありえるので、今生活に困ってしまったような場合はもちろん、今後妻の生活が困らないように配慮をしておきたいような場合にも、弁護士と相談をしておくことをおすすめします。

この記事の監修者

弁護士 水口 健太東京弁護士会
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