相続の手続きを期間ごとに解説
ざっくりポイント
  • 相続の手続き期間別に解説
  • 法律上期限のあるもので注意が必要なのは相続放棄・限定承認・相続税申告・遺留分侵害額請求
  • 法律上期限がなくても早めに行うべき遺言書の検認・遺産分割の準備もあわせて注意
目次

【Cross Talk 】相続の手続きにはどんなものがありますか?

一週間くらい前に父が亡くなり、私が相続人として手続きを行うことになりました。いろいろとやることが多そうなのですが、相続の手続きにはどのようなものがありますか?

相続手続きには法律上期限があるものや、法律上期限がなくても早めに行っておかないとあとから困るものなどがあります。そういったものを期限ごとに手続きをまとめてみることをおすすめします。

そうなんですね!詳しく教えて下さい!

相続手続きは期限によってまとめる!

被相続人が亡くなり相続が始まると、相続そのものや死亡届など、様々な手続きが必要となります。 あまりにもたくさんあるので、どう把握すれば良いか分かりづらいのですが、おすすめは手続きの期限別に把握することです。 相続手続きには期限内に行わなければならないものがあるので、それらの期限に沿って手続きを把握しておきましょう。

相続手続き一覧

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続手続きを期限別一覧表で確認

まずはどのような手続きがあるのか教えてもらえますか?

期限ごとにどのような手続きがあるのか確認しましょう。

身近な方が亡くなられた場合の一般的な流れ
死亡から 手続き
7日以内 ・死亡届の提出
10~14日以内 ・住民票の抹消をする必要がある場合がある
・世帯主変更届け
・健康保険に関する手続き
・年金に関する手続き
・介護保険に関する手続き
・後期高齢者保険に関する手続き
3カ月以内 ・遺言書の検認
・遺産分割の準備(相続人の確定・遺産の調査)
・相続放棄
・限定承認
4カ月以内 ・準確定申告
10カ月以内 ・遺産分割
・相続税申告
1年以内 ・遺留分侵害額請求
その他 ・公共料金や会員などの解約
この中でも
・死亡届の提出
・健康保険・年金に関する手続き
・相続放棄・限定承認
・準確定申告
・相続税申告
・遺留分侵害額請求
は法律上期間制限があるので注意しましょう。

7日以内にすべき相続手続き

知っておきたい相続問題のポイント
  • 死亡届の提出は7日以内に行う必要がある
  • 死亡届の提出をしないと火葬許可証がもらえないため実際には葬儀屋が代行している

まず亡くなってから比較的短期間にしなければならないものにはどのようなものがありますか?

死亡届の提出は原則7日以内に行う必要があるとされています。ただ、実際には火葬許可証を貰う必要があるため葬儀屋が代行してくれています。

死後7日以内にすべき相続手続きとして知っておくべきなのが死亡届の提出です。

死亡届の提出

期限 ・死亡の事実を知った日から7日(国外で死亡した場合には3カ月)
必要書類 ・死亡届
・死亡診断書(または死体検案書)
取得場所 ・医師がくれる
提出先 ・市区町村役場
手続きにかかる期限 ・提出したその日のうちに受付
合わせて必要なもの ・火葬許可書を取得してくるのが通常
人が亡くなると死亡届の提出が必要です(戸籍法86条)。 A3用紙の左側半分が死亡届になっており、死亡したときに医師から渡される死亡診断書(死体検案書)が右側半分になっていて一つの書類になっています。

火葬許可証は火葬の際に必要

死亡届を提出する際に、火葬許可証を取得します。 火葬許可証は火葬をする際に提出するもので、これがなければ火葬をしてもらうことができません。 葬儀にあたって火葬までをスムーズにするという観点から、葬儀屋が死亡届の提出から火葬許可証の取得までを代行してくれます。

10日~14日以内にすべき相続手続き

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 10日~14日以内にすべき手続き
  • 年金・保険に関する手続きが中心

もう少しあとにいくつか手続きがあるんですね。

はい、10日~14日くらいで住民票・健康保険・年金に関する手続きがあります。

死亡届の提出の次に10日~14日くらいで行う手続きには、住民票・健康保険・年金に関する手続きがあります。 全て市区町村の役場で行うものになるので、まとめて一度に手続きをしてしまうのが良いでしょう。

住民票の抹消をする必要がある場合がある

期限 ・死亡後速やかに
必要書類 ・個人の住民基本台帳カード
・届出人の身分証明書
提出先 ・死亡した方の住所があった市区町村役場
手続きにかかる期限 ・提出したその日のうちに終了
死亡届を提出することで住民票から抹消されることも多いのですが、自治体によっては住民票からの抹消を個別に必要とする場合があります。 そのため、市区町村役場で住民票の抹消を行います。

世帯主変更届

期限 ・世帯主が死亡してから14日以内
必要書類 ・住民異動届(世帯変更届)
・届け出をする人の本人確認書類
・加入している場合には国民健康保険被保険者証
取得場所 ・住所がある市区町村役場
提出先 ・住所がある市区町村役場
手続きにかかる期限 ・提出したその日のうちに受付
住民基本台帳法25条は、世帯主に変更があった場合に届け出をすることを定めており、届け出をしない場合には同法52条で5万円以下の過料に処す旨が記載されています。

健康保険に関するもの

国民健康保険の場合
期限 ・死亡してから14日以内
必要書類 ・国民健康保険資格喪失届
・国民健康保険の保険証
・高齢受給者証・限度額適用認定証(あれば)
・死亡を証明する書類(戸籍謄本や死亡届のコピーなど)
・届け出をする人の本人確認書類
・印鑑(自治体による・認印可)
取得場所 ・住所があった市区町村役場
提出先 ・住所があった市区町村役場
手続きにかかる期限 ・提出したその日のうちに受付
国民健康保険に加入している場合には、死亡によって資格を喪失するので、喪失の届け出を行ないます。 市区町村によっては死亡届を提出すれば自動的に喪失の扱いにしていることもあります。 亡くなった人が会社員などで健康保険に加入していた場合には、5日以内に会社が加入している健康保険に手続きをすることになるので、勤務先に亡くなったことを伝え保険証を渡します。

年金に関するもの

期限 ・死亡してから10日以内(国民年金の場合は14日)
必要書類 ・年金の資格喪失届
・亡くなった人の年金証書
・亡くなったことが分かる書類(住民票の除票)
取得場所 ・住所があった市区町村の年金事務所
提出先 ・住所があった市区町村の年金事務所
手続きにかかる期限 ・提出したその日のうちに受付
厚生年金に関しては死亡から10日以内に、国民年金の場合には14日以内に、資格喪失の届け出を行ないます。

介護保険に関するもの

期限 ・死亡してから14日以内
必要書類 ・介護保険資格喪失届
・介護保険被保険者証
・介護保険負担割合証・介護保険負担限度額認定証等(交付を受けている場合)
取得場所 ・住所があった市区町村
提出先 ・住所があった市区町村
手続きにかかる期限 ・提出したその日のうちに受付
65歳以上の人、40歳以上65歳未満で要介護・要支援認定を受けていた人が亡くなったときには、介護保険の資格喪失の手続きが必要です。 このときに介護保険料を月割りで再計算して精算します。

後期高齢者医療保険に関するもの

期限 ・2年以内
必要書類 ・葬祭費支給申請書
・亡くなった方の後期高齢者医療制度の保険証
・喪主の印鑑
・葬式を行ったことを証明できる書類(会葬礼状・葬儀の領収書など)
・死亡したことが分かる書類
・喪主名義の口座の預金通帳
取得場所 ・住所があった市区町村
提出先 ・住所があった市区町村
手続きにかかる期限 ・提出したその日のうちに受付
後期高齢者医療制度については死亡届の提出とともに資格の喪失となるので、特別に必要な手続きはありません。 しかし、後期高齢者が亡くなった場合喪主に葬祭費が支給されます。 手続き自体は2年の期間があるのですが、市区町村で手続きを行うついでに支給を受けると良いでしょう。

3カ月以内にすべき手続き

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 遺言書の検認と遺産の調査をはじめる
  • 相続放棄・限定承認は3カ月

次にどのような手続きがあるのでしょうか。

次の節目として考えておいてもらいたいことは、借金を相続することになった場合の相続放棄・限定承認は3カ月以内が原則であることです。ただ、後々のことを考えて遺言書の検認や遺産分割の準備である相続人の調査などは行っておきましょう。

3カ月以内に行うべき・行うのが望ましい手続きを確認しましょう。

遺言書の検認

期限 ・なし(3カ月以内に行うことが望ましい)
必要書類 ・遺言書の検認申立書
・遺言書
・戸籍謄本等
取得場所 ・管轄の家庭裁判所
提出先 ・管轄の家庭裁判所
手続きにかかる期限 ・申立てから1カ月~2カ月
3カ月以内に行うのが望ましいのが遺言書の検認です。 公正証書遺言・自筆証書遺言書保管制度を利用しての自筆証書遺言をする場合以外は、家庭裁判所で遺言書の検認をしなければなりません。

遺言書がある場合、相続は遺言書の内容を優先します。 しかし、上記の通り遺言書の検認には、2カ月程度の時間がかかることもあります。 相続税申告があるような場合には、申告のための準備期間がその分とられることになりますし、預貯金の引き出しなども遅れることになります。 遺言書を見つけた場合には速やかに検認の申立てをしましょう。

遺産分割の準備(相続人の確定・遺産の調査)

遺産分割の準備も3カ月以内に行うのが良いでしょう。 遺産分割の準備としては、相続人の調査と遺産を確定することが挙げられます。

3カ月以内に行う理由としては、相続税の申告がある場合には、遺産分割をスムーズに行わないと、申告にあたって有利な制度が利用できないことがあります。 また、借金があった場合には、相続放棄・限定承認をするかどうかの判断に関わります。 以上のような理由から3カ月以内に遺産分割を終わらせるのが望ましいです。

相続放棄

期限 ・原則3カ月以内(期間の伸長は可能)
必要書類 ・相続放棄申述書
・被相続人に関する戸籍謄本
・相続人に関する戸籍謄本
取得場所 ・管轄の家庭裁判所(ホームページでダウンロード可)
提出先 ・管轄の家庭裁判所
手続きにかかる期限 ・申立てから1カ月月~2カ月
被相続人に借金があるような場合には、相続放棄をすることによって、借金を相続をしなくてすみます。ただし、相続放棄は、被相続人の権利義務を一切受け継がない手続なので、預貯金などのプラスの財産があった場合には相続することができません。 相続放棄を行うべき3カ月以内の期間のことを「熟慮期間」と呼んでおり、借金の調査が間に合わないなどで3カ月の熟慮期間内に申述ができない場合には、期間の伸長をすることが可能です。

なお、3カ月の熟慮期間を超えてから借金や債務の存在を知ることもあり、そのような3カ月以内に相続放棄の申述をできなかった事情がある場合には、例外的に3カ月を過ぎても申述をすることができます。

限定承認

期限 ・原則3カ月以内(期間の伸長は可能)
必要書類 ・限定承認申述書
・被相続人に関する戸籍謄本
・相続人に関する戸籍謄本
取得場所 管轄の家庭裁判所(ホームページでダウンロード可)
提出先 ・管轄の家庭裁判所
手続きにかかる期限 ・申立てから4カ月~6カ月
同じく借金を相続したときに利用を検討すべきなのが限定承認です。 限定承認も、3カ月以内に手続きを行うこと、期間は伸長することが可能であること、やむを得ない事情があれば3カ月を経過しても利用できることは相続放棄と異なりません。

4カ月以内にすべき手続き

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 4カ月以内に行うべき手続きとして準確定申告

次はどのような手続きですか?

被相続人が確定申告をする必要があった場合には、4カ月以内に準確定申告という手続きを行います。

準確定申告

期限 ・4カ月以内
必要書類 ・準確定申告書
・準確定申告書の附票
・収入に関する証明書類(給与所得の源泉徴収票・公的年金の源泉徴収票など)
・控除に関する証明書類(生命保険料控除・社会保険料控除・医療費控除など)
・還付金を受け取る場合には委任状
取得場所 ・税務署・国税庁からダウンロード
提出先 ・管轄の税務署
確定申告は、2月15日前後から3月15日前後までの間に行いますが、被相続人が亡くなった場合には、亡くなったことを知った日から4カ月以内に、相続人が共同で申請を行います。

10カ月以内にすべき手続き

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 相続税申告は10カ月以内に行う
  • 遺産分割も10カ月以内くらいには行うべき

次にはどのような手続きがありますか?

10カ月以内に相続税申告を行います。また遺産分割も10カ月以内までには終わらせましょう。

10カ月以内に行う手続きとして相続税申告と遺産分割を確認しましょう。

1) 遺産分割 相続人が複数いる場合には、遺産は共有となります。 例えば被相続人の銀行預金を引き出す・不動産を売却するなどに先立って、遺産分割を行う必要があります。 遺産分割は、
・遺産分割協議
・遺産分割調停
・遺産分割審判
の3つの方法に分かれます。

相続税申告がある場合には、遺産分割が終わっていなければ利用できない控除の制度などもあるので、早めに遺産分割手続きを行うようにしましょう。

相続税申告

期限 ・10カ月以内
必要書類 ・相続税申告書
・戸籍謄本(被相続人・相続人)
・遺言書または遺産分割協議書など
・相続人の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)
・遺産に関する書類
・控除に関する書類
取得場所 ・税務署・国税庁からダウンロード
提出先 ・管轄の税務署
相続税の基礎控除額を超える遺産がある場合には、相続税申告を行う必要があります。 10カ月という期間制限は、相続放棄・準確定申告に比べると長いので、時間にゆとりがあると考える方も多いのですが、遺産に関する書類や控除に関する書類の収集・申立書の記載などで時間がかかることも多いので注意が必要です。

1年以内にすべき手続き

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 遺留分侵害額請求は1年以内に行う必要がある

そのあとに問題になることはありますか?

遺留分が侵害されている場合の遺留分侵害額請求は1年以内に行いましょう。

遺留分侵害額請求

遺留分を侵害された場合には、遺留分侵害額請求権を行使することが可能です。 遺留分侵害額請求については、遺留分の侵害から1年を経過すると時効で請求できなくなるとされています。 手続きとしては、遺留分侵害額請求権を行使するための内容証明郵便を送れば、時効で請求権は消滅しなくなります。

その他の手続き

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 期間はないが早めに行うほうが良いもの

他には何か気をつけることはありますか?

期間制限はないけども早めに行うほうが良いものを知っておきましょう。

手続きの期間制限はないものの早めに行うほうが良いものについて確認しておきましょう。

公共料金や会員などの解約

公共料金の契約や、被相続人が契約をしていた会員契約などの名義変更や解約は早めに行いましょう。 被相続人がしていた公共料金の契約(電気・ガス・水道など)がある場合で、例えば自宅をそのまま相続人が使う場合には名義変更を行います。 利用しない公共料金や会員の契約については、お金が引き落とされ続けることになるので、早めに解約するようにしましょう。ただ、相続放棄などを検討している場合には、慎重な対応が必要となりますので、何か行動を起こす前に事前に弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

このページでは、相続が発生した場合に必要となる手続きについて、期間ごとにまとめて解説いたしました。 たくさんの手続がありますが、自分ひとりでも問題なくできるものから、専門家の力を借りたほうがいいものもあります。 難しい…と感じたときには迷わず弁護士に相談することをおすすめします。

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この記事の監修者

弁護士 境野 秀昭第二東京弁護士会
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