相続が開始したときの年金の取扱
ざっくりポイント
  • 公的年金の受給権は相続の対象にならないが未支給の年金は受け取ることができる
  • 死亡退職金を遺族が年金として受けとる場合の遺産としての評価の方法
  • 個人年金を遺族が受け取る場合には相続税の対象となる
目次

【Cross Talk 】亡くなった後の年金についての手続き

先日父が亡くなり、相続をしました。父が受け取っていた年金については今後私達が受け取ることができないのは分かるのですが、未支給分についてはどのように取り扱われるのでしょうか。

おっしゃる通りで、年金受給権は相続の対象になりませんが、未支給分については受け取ることが可能です。相続にまつわる年金についての事項を確認しましょう。

よろしくお願いします。

年金は相続できないことと遺族が受け取る年金まで併せて確認しておこう

「年金」というと、国民年金や厚生年金などの公的年金を思い浮かべる方も多く、相続をしても今後はもらえなくなる、という認識のみ持っている方も多いのではないでしょうか。その部分については正しい認識なのですが、年金といっても故人の退職年金を年金として受けとることや、金融資産である個人年金を遺族が受け取るということもあります。このページではこれらの年金についてお伝えいたします。

公的年金の受給権は相続の対象にならない

知っておきたい相続問題のポイント
  • 公的年金の受給権は相続の対象にならない
  • 未支給年金の受け取りをすることができる

国民年金や厚生年金の受給権はさすがに相続の対象にはならないですね。

おっしゃるとおりですが、未支給年金分がある場合には一定の親族は受け取ることができます。

公的年金に関する事項を整理しましょう。

公的年金の受給権は相続の対象にならない

公的年金の受給権は相続の対象にはなりません。 公的年金の受給権は死亡により喪失することになっています(国民年金法9条・厚生年金保険法14条)。

未支給年金の受け取りについて

ただし、まだ支給されていない年金の給付については、単なる金銭債権となるべきものなので、受け取ることができます(国民年金法19条・厚生年金法37条)。 受け取ることができるのは、
  • 被相続人の
  • 配偶者
  • 子ども
  • 父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹
  • またはこれらの者以外の三親等内の親族
これらの者で、受給者の死亡当時にその者と生計を同じくしていた者 となります。

死亡後の年金に関する手続き

年金を受け取った方が亡くなった場合には死亡の届出を行います。 この届出は所定の用紙に年金証書・故人の死亡の事実が分かる戸籍謄本や死亡診断書・親族関係の分かる戸籍謄本などを添付して行います。 このときに未請求の年金がある場合は請求を行います。 提出先は、年金事務所または年金相談センターとなります。

死亡退職金を遺族が年金として受け取る場合

知っておきたい相続問題のポイント
  • 死亡退職金を遺族が年金として受け取るケースがある
  • 相続税がかかる場合の計算方法を確認

公的年金ではないですが死亡退職金を受け取れるような場合に、遺族が年金として受け取ることができる場合がありますよね?

おっしゃるとおりで、その場合には相続税の評価としてどのように計算するかが問題となる場合があります。

死亡退職金を遺族が年金として受け取る場合があります。 この場合には相続税の計算について問題が生じることがあるので確認しておきましょう。

どのようなケースか

死亡退職金は、数年間定期的に遺族が受け取れる場合や、就学中の子どもがいることを条件に育英年金として受け取ることができるようなケースがあります。 これらは、相続税法3条1項6号の規定によって、みなし相続財産として、相続税の計算上は遺産として計算しなければなりません。

相続税においての死亡退職金としての評価の方法

定期金として受け取ることができる金銭がある場合の計算については、相続税法24条1項に規定されている方法によって計算します。 年金を受け取る期間に応じて有期定期金(10年など期間が限られてるもの)、無期定期金(期間は決まっていないが条件などが定められている場合)、終身定期金(期間が終身であるもの)に分けて次のように計算します。

有期定期金…次に掲げる金額のうち一番多い金額

  • 解約返戻金の額
  • 定期金に換えて一時金として受け取れる場合の額
  • 定期金の給付を受けるべき残りの期間に応じて1年あたりに受け取れる金額の平均額に、予定利率による複利年金現価率を掛けて計算された金額

無期定期金…次に掲げる金額のうち一番多い金額

  • 解約返戻金の額
  • 定期金に換えて一時金として受け取れる場合の額
  • 定期金を受けるべき1年当たりの平均額を、当該契約に係る予定利率で割って計算された金額

終身定期金…次に掲げる金額のうち一番多い金額

  • 解約返戻金の額
  • 定期金に換えて一時金として受け取れる場合の額
  • 余命年数として政令で定めている年数に応じて、受け取ることができる金額の一年当たりの平均額に、予定利率による複利年金現価率をかけて計算された金額

個人年金を遺族が受け取る場合

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 個人年金を遺族が受け取るケースがある
  • 個人年金もみなし相続財産となる

被相続人がかけていた個人年金を遺族が受け取ることができるケースがありますが、これも遺産に含まれるのでしょうか?

おっしゃるとおりで、個人年金を遺族が受け取る場合もみなし相続財産となって、死亡退職金を年金として受け取るものと同様に扱われます。

被相続人がかけていた個人年金を遺族が受け取ることができる場合にはみなし相続財産として相続税の対象になる場合があります。 場合によっては贈与税の課税がされる場合もあるので注意が必要です。

どのようなケースか

個人年金を受け取っていた方が死亡して、遺族が個人年金の受給権を取得することがあります。 このとき、年金を受け取っていたのが、保険料を支払っていた本人で、その年金受給権を相続人が相続した場合には、みなし相続財産として相続税の対象となります。 一方、死亡した年金受取人および年金受給権を相続した方がともに保険料を負担していなかった場合には、この年金受給権は贈与されたものとして贈与税の対象となります。 すこし分かりづらいので、次の表で確認をしてください。
年金受取人(死亡) 保険料の支払いをしていた方 年金受給権を相続した方 負担する税金
Aさん Aさん Bさん 相続税
Aさん Bさん Cさん 贈与税

相続税の課税対象となる

前者の場合に、みなし相続財産として相続税の課税対象となる場合には、死亡退職金を年金として受け取る場合と同様に、定期金として評価をすることになります。

まとめ

このページでは、相続をする際に年金が問題になるケースについていくつかご紹介をいたしました。 一般的に、遺族は、まず、公的年金に関する手続きをすることが必要となるので万一の際には確認するようにしてください。 死亡退職金を年金として受け取る場合や、個人年金を相続人が受け取る場合には、その部分が相続税の課税の対象となることがあるので、相続税の対象となる財産の範囲等について詳しく知りたい場合には、一度、税理士や弁護士に相談することをお勧めします。

この記事の監修者

弁護士 玉田 誠一第二東京弁護士会
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