遺言書が出てきた!このあとの手続きである検認はどうすればいいの?
ざっくりポイント
  • 検認とは
  • 遺言書の検認の手続き・費用など
  • 検認した後の手続きの流れ
目次

【Cross Talk 】遺言書の検認ってどうすればいいの?

先日父が亡くなりました。形見分けを行っていたところ、父が書いたと思われる遺言書が見つかりまして、その扱いについて調べていると「検認」という手続きが必要であるということがわかりました。
「検認」とはどのような手続きか教えてください。

「検認」は遺言が見つかった場合に裁判所で行うもので、遺言の状態・内容を確認するものです。後に偽造・変造されることがないように、という趣旨で取られている手続きです。
公正証書遺言以外で遺言書が見つかった場合には必須の手続きです。

なるほど、父の遺言は自筆証書遺言に当たりそうなので、検認が必要と思われます。

公正証書遺言以外の遺言で必要な遺言書の検認という手続き

遺言は民法の規定に従って行われます。公正証書遺言以外の遺言書については、遺言者の死後に「検認」という手続きが必要です。 検認は遺言書の状態や内容を確定させて、偽造や変造を行わせないようにすることを目的とする手続きです。

遺言書の検認とは?

知っておきたい相続問題のポイント
  • 遺言書の検認の概要
  • どのような遺言で検認が必要か

そもそも遺言書の検認ってどんな手続きなんですか?

遺言書の検認とはあくまで、遺言書がどんな状態であったか、何が書かれているのか、ということを確定させるものです。遺言が有効か無効かを確定させる手続きではないので注意が必要です。

まず、遺言書の検認という手続きがどのようなものなのかを確認しましょう。

遺言書の検認とは

遺言書の検認とは、遺言がある場合に裁判所で遺言書の状態やその内容を確定させる手続きのことを言います。民法1004条において、公正証書遺言以外の遺言書については検認を請求する必要があるとされており、特に封印がされている遺言書については、検認手続きでしか開封してはならないとされています。

あくまでその時に遺言がどのようなものであったかを確定させて、その後に偽造・変造をしないようにする手続きです。そのため、遺言が有効なのか無効なのかを確定する手続きではありません。
もし遺言が無効であると主張する場合には、いったん遺言書の検認を行った上で、遺言無効確認の訴えを起こすことになります。検認をせずに遺言を執行したり、開封したりした場合には5万円以下の過料に処する旨も規定されているので、忘れずに検認を行うようにしましょう。

検認の必要な遺言の種類

上述のとおり、遺言書の検認は公正証書遺言以外すべての遺言手続きにおいて必要です。手元にある遺言がどの種類かわからない場合もあるでしょう。公正証書遺言に関しては基本封印をしておらず、遺言書の中に公証人が作成したことが記載され、記名捺印がされています。
このような形状以外の遺言書は、基本的には検認しなければならないと考えておきましょう。

遺言書の検認の手続の流れや費用などについて

知っておきたい相続問題のポイント
  • 遺言書の検認の手続き
  • 遺言書の検認の費用

具体的に遺言書の検認についてはどのように行えばよいのですか?

遺言書の検認は家庭裁判所にて行います。詳しく見てみましょう。

遺言書の検認の手続きや費用などについてもう少し詳しく確認しましょう。

遺言書の検認手続きの流れ

遺言書の検認は以下のように行われます。 まず、申立ては、家庭裁判所に対して書類を提出して行います。申立てをすると、1~2ヶ月後に検認期日というものが設定されるので、申立人および相続人は期日に裁判所へ向かいます。

遺言書の検認の申立人

遺言書の検認の申立ては、遺言書の保管者又は遺言書を発見した相続人が行うものとされています。

遺言書の検認の申立先

遺言書の検認は家庭裁判所にて行います。家庭裁判所といっても全国にありますが、申立てを行う家庭裁判所は、遺言者の最後の住所地を管轄している家庭裁判所です。つまり、亡くなった時に住所があった場所の家庭裁判所に申立てをします。

遺言書の検認の申立てに必要な費用

遺言書の検認に必要な費用としては、手続自体に対する手数料と郵便切手代があります。 手数料は800円とされており、納付は収入印紙を購入して、申立書に貼り付けるという形で納付します。
また、裁判所が連絡用につかう切手を納付する必要があるのですが、これは裁判所によって異なるので事前に確認しましょう。 なお、申立てとは別に、検認が済んだ遺言書であることを証明するための検認済証明書を発行するためには、1通につき150円分の収入印紙が必要となります。

遺言書の検認の必要書類

遺言書の検認に必要な書類としては次のようなものがあります。遺言書の検認は申立書を作成して申立をします。 申立書は裁判所のホームページで手に入れることが可能です。 また申立書に添付する書類として、被相続人と相続人の関係にあることがわかる戸籍謄本などが必要となるため、そちらの準備も必要となります。

相続人調査の方法について解説したページがあり、そちらで戸籍についても詳しく記載しているので、是非参照してください。
「相続人調査」住所・連絡先を知らない相続人を探す方法

遺言書の検認後の手続の流れ

知っておきたい相続問題のポイント
  • 遺言書の検認を行ったあとに何をするか

遺言書の検認を行った後はどうすればよいですか?

遺言書が有効であれば遺言書の内容に従った手続きを行います。

遺言書の検認が行われた後はどのような手続きの流れになるのでしょうか。

相続財産すべてについて具体的に遺言がなされていた場合

遺言書ですべての相続財産について記載されている場合には、遺言書に記載されたとおりに手続きを行います。銀行預金を相続することになった相続人は、遺言者の銀行預金口座を解約して預金を取得します。不動産を取得した人は、相続登記を自分の名義に書き換えます。

それ以外の場合

全財産のうち家・土地を誰のものにする、という形での遺言も可能です。このような場合、残った財産は相続の規定に基づいて遺産分割を行います。また、遺言によって相続分とは異なる割合で遺産分割をするよう指定があった場合には、その割合に基づいて相続を行います。

遺言について争う場合には遺言無効確認の訴え

遺言の内容が不自然である、その時期にはもうすでに認知症にかかっていたはず、筆跡が本人のものではない、などの理由から、遺言書を作成したのが本人ではないと考えられる場合には、遺言の効力を確認します。 この時に、検認でどのような内容の遺言であるかを確認した旨を記載した書面として、検認調書というものが作成されているので、これを取得します。

この検認調書と、遺言書が本人の意思により作成されたものではないという証拠を持って(例:もともとの本人の筆跡・当時の認知症の進行具合に関するカルテなど)、遺言無効確認の訴えを起こします。遺言が無効であると確認された場合には、遺産に関する分割協議を行うことになります。

まとめ

このページでは、遺言書の検認についてお伝えしてきました。
公正証書遺言以外の遺言を見つけた場合には、遺言書の内容確認のため「検認」という手続きが必要になりますので、手続きの方法についても理解しておきましょう。
参考:遺言書の検認

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この記事の監修者

弁護士 岩壁 美莉第二東京弁護士会 / 東京第二弁護士会 司法修習委員会委員
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