寡婦年金の特徴や死亡一時金との違いについて解説いたします。
ざっくりポイント
  • 寡婦年金は一定の要件を満たす夫が亡くなった場合に、妻に支給される
  • 死亡一時金は一定の要件を満たす方が亡くなった場合に、遺族に一時金が支給される
  • 寡婦年金と死亡一時金はどちらか片方だけを受給できる
目次

【Cross Talk 】寡婦年金ってどんな制度?

年金を受給せずに夫が亡くなったのですが、寡婦年金という制度があると聞きました。どのような制度ですか?

寡婦年金とは、一定の要件を満たす夫が亡くなった場合に、夫が受給するはずであった年金の額の一部が、妻に支給される制度です。似たような制度として、死亡一時金もあります。

寡婦年金は一定の場合に妻に支給される制度なんですね。死亡一時金についても教えてください!

寡婦年金の制度の概要や要件、死亡一時金との違いなどを解説。

夫と妻が一定の要件を満たしていると、夫が亡くなった場合に、妻が寡婦年金を受け取れることがあります。 寡婦年金と似て異なる制度として、一定の要件を満たす方が亡くなった場合に遺族が一時金を受け取れる死亡一時金という制度もあります。 そこで今回は、寡婦年金の制度の概要や、死亡一時金との違いについて解説いたします。

寡婦年金とは

知っておきたい相続問題のポイント
  • 寡婦年金とは、一定の要件を満たす夫が亡くなった場合に妻に支給される制度
  • 寡婦年金を受給するには一定の要件がある

夫が亡くなったのですが、寡婦年金という制度があると聞きました。

寡婦年金とは、一定の要件を満たす夫が亡くなった場合に、夫が得るはずであった年金の額の一部が妻に支給される制度です。

寡婦年金とは

寡婦年金とは、一定の要件を満たす国民年金の第1号被保険者(夫)が亡くなった場合に、夫が受給するはずであった年金の額の一部が妻に支払われる制度です。 寡婦年金の受給対象は、夫が亡くなった後に婚姻していない妻です。妻が婚姻した場合(事実婚を含む)や、妻を亡くした夫は受給対象ではありません。

寡婦年金をもらうための要件

寡婦年金をもらうための要件は、亡くなった夫についての要件と、寡婦となった妻についての要件に分かれます。 亡くなった夫についての主な要件は、以下の通りです。
1.死亡日の前日において国民年金の第1号被保険者であること
2.保険料を納めた期間および国民年金の保険料免除期間が10年以上であること
3.老齢基礎年金や障害基礎年金を受けたことがないこと

1.の国民年金の第1号被保険者とは、第2号被保険者(会社員や公務員など、厚生年金や共済年金の加入者)または第3号被保険者(第2号被保険者に扶養されている一定の配偶者)でない方のことです。

2.の期間には、学生納付特例期間や納付猶予期間も含まれますが、それらの期間は年金額には反映されません。 寡婦となった妻についての主な要件は、以下の2点です。

[1]夫が亡くなった時点において、夫と10年以上継続して婚姻関係があること
[2]夫が亡くなった当時に、夫に生計を維持されていたこと
[1]の婚姻関係には法律婚だけでなく、事実上の婚姻関係にある場合も含まれます。 要件を満たす場合は寡婦年金の受給対象になりますが、以下の事由が生じた場合は、寡婦年金の受給資格を喪失します。
・妻の年齢が65歳に達したとき
・妻が亡くなったとき
・妻が婚姻したとき(事実婚を含む)
・直系血族または直系姻族以外の養子になったとき
・老齢基礎年金の繰上げ請求を行ったとき
3.の老齢基礎年金の繰上げ請求とは、老齢基礎年金を本来よりも早い時期に受給できるようになる手続きです。 老齢基礎年金を受給できるのは原則として65歳からですが、繰上げ請求をすると、60歳から65歳までの間に受け取れるようになります。

老齢基礎年金を受給している場合は寡婦年金の対象にならないので、老齢基礎年金の繰上げ請求をした場合は、寡婦年金の対象外となります。

寡婦年金をもらえる期間

寡婦年金をもらえる期間は、寡婦となった妻の年齢が60歳から65歳までの間です。 より正確には、受給権を取得した時点の妻の年齢によって、以下の2つの場合に分かれます。
1.妻の年齢が60歳未満のときに受給権を得た場合:妻が60歳に達した日の属する月の翌月から、妻が65歳に達するまで 例えば、妻が58歳のときに寡婦年金の受給権を得た場合は、妻が60歳になるまでは寡婦年金は受給できません。 仮に2022年4月に妻が60歳になるとすると、寡婦年金を受給できるのは、妻が60歳に達した日の翌月である2022年5月からです。

2.妻の年齢が60歳以上のときに受給権を得た場合:夫が亡くなった日の属する月の翌月から、妻が65歳に達するまで 例えば、夫が2022年4月になくなり、妻が61歳のときに受給権を得たとすると、寡婦年金を受給できるのは、夫が亡くなった日の翌月である2022年5月からです。 寡婦年金は、65歳までの間に支給されるので、忘れずに請求しましょう。

寡婦年金の額

寡婦年金の金額は、老齢基礎年金額の3/4の額です。 具体的には、亡くなった夫の第1号被保険者期間のみで老齢基礎年金額を計算し、その額の3/4の金額が、寡婦年金の額になります。 例えば、夫の老齢基礎年金額が80万円の場合は、その3/4である60万円が寡婦年金の額です。

寡婦年金と死亡一時金の関係

知っておきたい相続問題のポイント
  • 死亡一時金とは、一定の要件を満たす方が亡くなった場合に、遺族に一時金が支給される制度
  • 寡婦年金と死亡一時金はどちらか片方だけを受給できる

寡婦年金以外にも、死亡一時金という制度があると聞きました。受給要件を満たす場合は、両方とも受給できるのでしょうか?

寡婦年金と死亡一時金の両方の受給要件を満たす場合は、どちらか片方だけを受給できます。両方受給することはできません。

1)死亡一時金とは 死亡一時金とは、一定の要件(基礎年金を受けておらず、一定期間以上の国民年金保険料を納めているなど)を満たす方が亡くなった場合に、遺族に一時金が支給される制度です。 死亡一時金を受給する主な要件は、以下の通りです。
・死亡日の前日において、第1号被保険者として国民年金の保険料を納めた月数が36月以上あること
・老齢基礎年金や障害基礎年金を受けないまま亡くなったこと
・死亡者と生計を同じくしていた遺族が受給すること
死亡一時金を受給できる遺族には優先順位があり(順位が高い順に、配偶者・子ども・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹)、順位が高い遺族が優先されます。

死亡一時金を申請できるのは、亡くなった日の翌日から2年間です。受給を希望する場合は、必ず期間内に申請しましょう。

寡婦年金と死亡一時金の関係

寡婦年金と死亡一時金は、どちらか片方だけを受け取れる関係にあります。 寡婦年金と死亡一時金の両方の受給資格を満たしている場合、どちらか片方だけを受給できます。両方を受給することはできません。

両方の受給資格を満たしている場合は、寡婦年金と死亡一時金を比較して、有利なほうを選択して受給することをおすすめします。 寡婦年金と死亡一時金を受け取れる金額で比較した場合、一般に寡婦年金の金額のほうが高くなるため、寡婦年金を選択して受給するのが一般的です。

ただし、老齢基礎年金を繰り上げ受給していたなど、寡婦年金を受給する要件を満たしていない場合があるので、注意が必要です。 寡婦年金の受給資格を満たしていない場合は、忘れずに死亡一時金を申請しましょう。

まとめ

寡婦年金とは、一定の要件を満たす国民年金の第1号被保険者が亡くなった場合に、夫が受給するはずであった年金の額の一部が妻に支給される制度です。 死亡一時金とは、一定の要件を満たす方が亡くなった場合に、優先順位の高い遺族に一時金が支給される制度です。 寡婦年金と死亡一時金の両方について受給資格がある場合は、どちらか片方のみを受給することができます。

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