株式を相続する場合の手続きと、株式にかかる税金について解説いたします。
ざっくりポイント
  • 株式を相続する場合、まずは遺言書の有無を確認する
  • 株式を相続すると相続税の課税対象になる
  • 相続税における株価の算出は、上場企業と非上場企業で方式が異なる
目次

【Cross Talk 】株式を相続するにはどんな手続きが必要? 税金はかかる?

父が亡くなって株式を相続することになりました。株式を相続するにはどのような手続きが必要ですか?株式を相続する場合、税金はかかるのでしょうか?

株式を相続する場合、まず遺言書の有無を確認しましょう。その後、遺産分割や名義変更などの手続きをします。株式を相続した場合でも、遺産が基礎控除を超えるなら相続税の課税対象になりますね。

株式を相続するにはいくつかの手続きが必要なんですね。株式の税金の節税方法があれば、教えてください!

株式を相続する手続きや、相続税における株式の評価額などを解説。

被相続人が亡くなって遺産を相続する場合、遺産の中に株式が含まれている場合があります。 株式を相続する場合、株式の名義変更などの手続きが必要になるほか、相続税などの税金が発生する場合があります。 そこで今回は、株式を相続する場合の手続き方法や税金について解説いたします。

株式を相続する場合の手続き・税金

知っておきたい相続問題のポイント
  • 株式を相続する場合、まずは遺言書の有無を確認する
  • 株式を相続すると相続税の課税対象になる

株式を相続することになったのですが、どのような手続きが必要ですか?株式を相続した場合にどのような税金がかかるかも心配です。

株式を相続する場合、まずは遺言書の有無を確認しましょう。その後、遺産分割や名義変更などを行います。株式を相続すると相続税の課税対象になりますが、いくつかの節税方法があります。

株式とは

株式とは、株式会社が資金調達のために発行する証券のことで、一般に株と呼ばれています。 株式は株主の権利を表すものであり、一般に以下のような権利・利益があります。
・株主総会に参加して決議に加わる議決権
・剰余金の配当を受けられる剰余金配当請求権
・会社が解散した場合に配当を受ける残余財産分配請求権
・経済的利益が分配される配当金
・株主への商品やサービスが提供される株主優待

株式を相続する場合の手続き

株式を相続する場合の手続きの流れを解説いたします。  

遺言書の有無を確認

株式を相続する場合、まずは遺言書の有無を確認しましょう。

被相続人が遺言書を作成していた場合、原則として、遺言書の内容に従って遺産を相続するからです。 例えば、長男と次男の2人が相続人の場合に、被相続人が「長男に株式を相続させ、次男に預貯金を相続させる」という遺言書を作成した場合、原則として長男が株式を相続します。

遺言書と異なる内容で遺産分割をしたい場合、相続人全員が同意をしなければなりません。 例えば、上記の場合で次男が株式を相続したい場合、長男と次男の両方がその内容の遺産分割に同意して、協議書を作成する必要があります。  

遺産分割(ほふりで確認する)

遺言書によらずに相続をする場合は、相続人全員で遺産分割協議をして、株式などの遺産を分割します。

被相続人がどのような株式を保有していたか不明な場合は、「証券保管振替機構(通称ほふり)」に照会しましょう。 ほふりには証券会社から預けられた株式が保管されているので、ほふりに依頼すれば、被相続人が利用していた証券会社や証券口座を調査することができます。

 

相続人による名義変更

株式を相続した場合、株式の名義を被相続人から相続人に変更することが必要です。 株式の名義変更に必要な書類は、遺言書の有無・株式の種類・証券会社などによって異なりますが、一般的な書類として以下のものがあります。
・証券会社を特定する資料
・戸籍謄本
・印鑑証明書
・遺言書または遺産分割協議書
株式を移管するために、相続人名義の証券口座の開設も必要です。

株式を相続した場合の相続税

株式を相続した場合の相続税の金額は、以下の順番で計算します。
・相続した株式の評価額を計算する
・株式の評価額を、他の相続財産(預貯金や不動産など)と合算する
・基礎控除や非課税財産などを差し引き課税遺産総額を出す
・課税遺産総額から法定相続分に応ずる取得金額を算出し、税額を計算する
金額が多いほど、相続税の税率と控除額が高くなるのが特徴です。

例えば、課税遺産総額からの法定相続分に応ずる取得金額が2,000万円の場合、税率が15%で控除額が50万円なので、相続税は250万円になります。 これらの額を相続人全員分合算し、自身の遺産取得割合に応じて按分した相続税を納めることとなります。

株式を相続する場合の節税方法

株式を相続する場合、相続税が発生する可能性があります。そこで、株式を相続する場合の様々な節税方法を解説します。  

生前贈与

株式を相続する場合の節税方法として、生前贈与があります。

生前贈与とは、自分が生きている間に、他人に財産を無償で与えることです。現金やものだけでなく、株式も生前贈与することができます。

例えば、就職祝いとして祖父が孫に株式を無償で与えた場合、生前贈与にあたります。 贈与をすると贈与税の対象になりますが、贈与税は110万円の基礎控除があるので、年間110万円以内の贈与であれば、原則として贈与税が課税されません。 財産が多ければ多いほど相続税が高額になりやすいですが、生前贈与によって財産を減らしていけば、相続税の節税になるという仕組みです。ただし、110万円以内であっても、死亡前3年以内の贈与は相続税の課税対象となるので注意が必要です。  

自社株の評価を下げる

自身が経営権を持つような会社の株であれば、株式を相続する場合の節税対策として、自社株の評価を下げる方法があります。

株価が高いほど相続税も高くなりやすいので、意図的に株価を下げることができれば、相続税の節税に繋がるという仕組みです。 株価の評価を下げる方法は様々であり、適した方法も場合によって異なりますが、代表的な手法として以下のものがあります。

・通常配当を特別配当に変更することで、配当率を引き下げる
・不良在庫の処分や不良債権の償却などによって、利益を引き下げる
・預金を不動産や保険などに組み替えることで、純資産価格を引き下げる
どのような手法が適しているかは、会社の経営状況など様々な要素が絡むので、詳しくは弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。  

発行会社に非上場株式を譲渡した場合の課税の特例

株式を相続した場合の節税対策として、「相続により取得した非上場株式を発行会社に譲渡した場合の課税の特例」を利用する方法があります。

取得した株式を発行会社に譲渡(一般に売却)した場合、「みなし配当課税(株式の配当金を受け取ったものとして課税される制度)」によって、高額の所得税が発生する可能性があります。 しかし、相続によって非上場株式を取得した場合の特例が適用されれば、みなし配当課税の対象にならないので、所得税の節税につながります。

 

非上場株式の納税猶予および免除の特例

株式を相続した際の節税対策として、「非上場株式等についての贈与税の納税猶予および免除の特例」を利用する方法があります。 相続や贈与によって一定の非上場株式を取得し、かつ一定の要件を満たした場合に、贈与税などが猶予・免除される特例です。 特例措置と一般措置の2種類があり、特例措置のほうが要件が緩和されて利用できる範囲が広いですが、適用に期限があるほか、計画の提出が必要になります。  

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

株式を相続した場合の節税対策として、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」があります。

相続した遺産を売却すると所得税(譲渡所得)の課税対象になりますが、特例が適用された場合、所得税の減税効果を得られます。 譲渡所得の所得金額(課税の対象となる金額)は、以下の計算式で表されます。

所得金額 = 収入金額 - (取得費 + 譲渡費用)
特例が適用されると上記のうち取得費が加算されるので、その分だけ所得金額が減少し、所得税の負担が軽くなります。

株式の相続税における評価額

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続税における株価の算出は、上場企業と非上場企業で方式が異なる
  • 上場企業の基準は4種類で、非上場企業の評価方法は3種類ある

相続税の計算において、株式の評価額はどのように算出するのですか?

相続税における株式の評価方法は、上場企業と非上場企業で異なります。上場企業の株価の基準は4種類で、そのうち最も低い価格によります。非上場企業の評価方法は3種類あります。

上場企業の株式の評価額

上場企業の株価の基準は4種類あり、そのうち最も低い価格をもとに算出されます。

上場企業とは、株式が証券取引所で売買される企業のことです。上場するには厳しい審査基準があるため、上場企業は一般に知名度や信頼性が高くなっています。 上場企業の株価の基準となるのは以下の4種類であり、そのうち最も低い価格によって算出されます。

・相続が開始した日の終値
・相続が開始した日の月の、取引日ごとの終値の平均額
・相続が開始した日の月の前月の、取引日ごとの終値の平均額
・相続が開始した日の月の前々月の、取引日ごとの終値の平均額
株価を算出するために複数の基準が用いられるのは、会社の業績や経済状況などによって、株価が変動するからです。

非上場企業の株式の評価額

非上場企業の株式は、会社の財務状況などを基準に株価が評価されます。

非上場企業とは、株式が上場しておらず、証券取引所で売買されない企業のことです。 非上場企業の株式は市場(証券取引所)に公開されていないので、上場企業に比べると、株価を把握することは一般に困難です。 非上場企業の株価を把握する方法として、類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式の3種類があります。

類似業種比準方式とは、業種が似ている上場企業の情報を参考にして、非上場企業の株価を評価する方式です。 事業内容が類似する上場会社の株価・利益・総資産などを参考にして、非上場企業の株価を算出します。

例えば、自転車の製造を主な事業内容とする非上場企業の株価を、同じく主に自転車を製造している上場企業を参考に算出するなどです。

純資産価額方式とは、仮に会社が解散した場合に、株主に分配される財産の価値を基準として、株価を算出する方式です。 会社が解散する場合、まずは残存する資産で債務を返済したり、法人税などの税金を支払ったりします。 支払い後に残った資産が株主に分配されますが、この分配を基準に株価を算出するのが、純資産価額方式の特徴です。 配当還元方式とは、非上場企業から配当される金額を基準に株価を算出する方式です。 配当還元方式は比較的容易に株価を計算できる反面、他の方式に比べて株価が低く算出されやすいのが特徴です。 どの方式で株価を算出するかは会社の規模によって異なり、複数の方式を併用する場合もあります。

まとめ

株式とは、株式会社が発行する証券のことで、一般に議決権や配当金などの権利・利益が付与されています。株式を相続する場合、まずは遺言書の有無を確認した後、遺産分割や株式の名義変更などの手続きをします。 株式を相続する場合、相続税の課税対象になりますが、贈与税の基礎控除を利用して生前贈与をするなど、いくつかの節税方法があります。 株式を相続する場合の手続きや、場合に適した節税方法などを知りたい場合は、相続問題に詳しい弁護士や税については税理士に相談するのがおすすめです。

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この記事の監修者

弁護士 玉田 誠一第二東京弁護士会
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