家賃収入がある場合遺言書を残すとどのように扱われるのか
ざっくりポイント
  • 遺言書がない場合にはいったん相続人が法定相続分で受け取り、遺産分割後に賃貸をしている物件の所有権を得た人が賃料を受け取る
  • 遺言書で賃貸物件の所有権を指定していた場合には最初から指定をされていた人が賃料収入を受け取る
  • 賃貸物件についての借金がある場合の借金の相続人への割り振り・特定の相続人が一人で払うための債務引受の手続きをする
目次

【Cross Talk 】賃貸物件があるけど相続をすると家賃収入はどうなるのでしょうか。

私の相続のことでご相談があります。私は賃貸物件のオーナーなのですが、私が死んで相続をすることになると家賃収入は誰が受け取るのでしょうか。

遺言書のあるなしによって途中経過が異なりますが、最終的には賃貸不動産の所有権者が受け取ることになります。借金がある場合の借金の処理と一緒に確認しましょう。

詳しく教えてください。

賃貸物件がある場合の家賃収入は相続によって誰に受け継がれるか。

不動産物件を保有しており、賃貸をしている場合に発生する家賃収入は、相続によってどのように引き継がれるのでしょうか。家賃収入は不動産物件によって生まれるものなので、不動産の所有者が受け取ることができる権利です。 不動産の所有権者が誰になるかは、遺言書のあるなしで決め方が異なりますので、以下順番に確認しましょう。なお、不動産賃貸をしている場合には借金をして不動産を手に入れていることもあるため、借金の処理についても確認しておきましょう。

遺言書を残しておくと家賃収入はどうなるのか

知っておきたい相続問題のポイント
  • 遺言書がない場合には、家賃収入は賃貸不動産の所有権が決まるまでは相続人が法定相続分で分けて、不動産の所有権が決まれば不動産の所有者が受け取る。
  • 遺言書がある場合には、家賃収入は遺言書で指定された者が受け取る

家賃収入は私が死ぬと具体的には誰のものになるのでしょうか。

遺言書のあるなしによって異なりますので、それぞれのケースで結論を見てみましょう。

不動産を所有している人が賃貸を行って家賃収入を得ている場合に、その方が亡くなると家賃収入は誰が得るのでしょうか。

家賃収入は不動産の所有者が取得することになるので、誰が不動産の所有者かについて、遺言書がある場合とない場合に分けて検討しましょう。

遺言書がない場合の家賃収入

遺言書がない場合には、遺産は相続人が法定相続分に従って相続します。 相続人が複数居る場合には、法定相続分に従って相続しますが、遺産分割前は相続人が遺産を共有している状態とされています(民法986条)。

そのため、法定相続分に従って不動産を共有している状態なので、家賃収入も法定相続分に従って帰属しています。 家賃収入は不動産の賃貸借契約上の権利なので金銭債権です。金銭債権のような分けることが容易な可分債権は、法定相続分に従って債務者に請求できることになっています。 遺産分割協議が調うと不動産の所有権が確定するので、以後は不動産の所有権者が債務者に請求することになります。

遺産分割で不動産を取得した人が、相続で自分が取得したと主張するためには、不動産の相続登記が必要な点には注意しましょう。

遺言書がある場合の家賃収入

遺言書がある場合には、遺言書で不動産の所有権を誰にするか決まっていれば、遺言者が亡くなった時点で不動産の所有権が移転します。

そのため、不動産の所有権を取得する人がそのまま家賃収入を受け取ることになります。 この場合にも、不動産の登記をすることが必要です。 誰に収益不動産を渡すかを決めたい場合には遺言書を作成した方が良いということを知っておきましょう。

借金がある場合の処理

知っておきたい相続問題のポイント
  • 借金がある場合には相続人(および包括受遺者)に相続分に従って相続される
  • 不動産物件を相続する人が借金を引き継ぐには債務引受を行う

賃貸物件を購入するときに銀行から借入をしているのですが、この借入はどのように扱われるのでしょうか。

法定相続分に従って相続人に承継されるので、相続後に不動産物件を相続する人が債務引受を行うのが良いでしょう。

賃貸用の不動産物件を購入する際、多くの方が銀行などから借入をおこないます。 この借入が残った状態で相続をする場合には注意が必要です。

借金の相続はどうなるのか

賃貸物件を一人の相続人が相続する以上、その賃貸物件を購入した借金もその方が背負うべき、と考えるかもしれません。

しかし、借金を相続した場合には、法定相続分に従って相続されてしまいます。 不動産と切り離して借金のみについて考えると、たとえば特定の遺産をあまりもっていない相続人に借金だけを相続させて、その方に自己破産をしてもらう、ということを認めることになるのは不都合だからです。

家賃を得る人が借金を引き継ぐには?

家賃収入を受け取れない相続人であっても借金を支払う義務があるというのは、当然納得いかない結果になります。

また、不動産投資用の不動産をローンで購入した場合、購入した物件に抵当権が設定されていることが通常なので、返済がなければ抵当権を実行されて競売されてしまいます。 そのため、賃貸物件を取得した人がそのまま支払うように、借金を引き継ぐのが望ましいといえます。

そこで、他の相続人・受遺者が引き継いだものについて債務引受を行って、返済をしましょう。

投資用不動産がある場合の相続でよく問題になる点も併せてチェック

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 投資用不動産があるくらいの資産があると相続税がかかることが多い
  • 被相続人は確定申告をする必要があるので、相続人は相続後に準確定申告をする必要がある
  • 不動産は分けづらいので遺産分割や遺留分についての注意をする

家賃収入についての注意点はわかったのですが、私のような相続の場合に何か注意点はありますか?

遺産が多いので相続税の負担がありそうなのと、賃貸収入がある点で相続人は準確定申告が必要となること、あとは不動産が遺産の価値の大部分を占める場合には分けづらいことなどの注意点を確認しておきましょう。

賃貸収入があるほどの不動産がある場合の相続に関する注意点を確認しましょう。

相続税がかかる

まず、自分の居住用の不動産がありつつ、投資用の不動産もあるようなケースだと、かなりの額の遺産があることが想定されます。 そのため、相続税がかかることを念頭に相続についての検討をすすめるべきであるといえます。 遺言書で第三者に遺贈をする場合には、受遺者も申告・納税が必要であることを知っておきましょう。

準確定申告が必要

賃貸収入がある場合には確定申告が必要となります。 確定申告が必要な方について相続をした場合には、準確定申告が必要となります。 準確定申告は相続開始を知った時から4ヶ月以内にする必要があり、期間が短いものです。

帳簿、経理のために使っているパソコンのログインパスワードなどの申告に必要なものについて、相続人がスムーズに手続きができるように準備をしておきましょう。

遺産が分けづらいことから遺産分割や遺留分で注意が必要

遺産が全て銀行預金であれば、預貯金を分割すればいいだけなのですが、不動産である場合には原野で分筆がしやすいというものでもない限り、分けるのが困難であることが一般的です。 そのため、相続人が複数居る場合に、遺産分割協議が難航したり、遺贈をした場合に遺留分を侵害しやすくなることがあります。

投資用の不動産が複数あるような場合には、一部を売却して分けやすい現金・預貯金も用意しておくことも検討しましょう。

まとめ

このページでは、家賃収入がある場合の相続と遺言書についてお伝えしました。 家賃収入があるような資産の多い相続の場合には、確実な生前対策が望ましいといえます。 弁護士や税理士にご相談をすることをおすすめいたします。

この記事の監修者

弁護士 水口 健太東京弁護士会
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