遺言書による養子縁組は無効。代替案を解説いたします。
ざっくりポイント
  • 養子縁組遺言書に記載しても法的な効力はない
  • 生前に養子縁組をすることで法定相続人となる
  • 生前贈与死因贈与遺贈により財産を譲ることができる
目次

【Cross Talk 】遺言書による養子縁組は無効?

父が亡くなり、孫を養子として遺産を相続させることが遺言書に書かれていました。法的に有効なのでしょうか?

無効です。遺言書に書かれていることのすべてが法的に認められるわけではありません。「遺言事項」に該当することのみです。

詳しく教えてください!

遺言書による養子縁組は無効。代替案4つをご紹介いたします。

養子縁組は養親・養子の双方が合意し、届け出を行うことで成立します。したがって、遺言書に「○○を養子として遺産を相続させる」と書かれている場合、法的には無効となります。 養子として遺産を譲りたい人がいる場合には、どうしたら良いのでしょうか?代替案 4つをご紹介いたします。

遺言書に「養子縁組をする」と記載されていても無効

知っておきたい相続問題のポイント
  • 養子縁組は役所に届け出を行うことで成立する
  • 遺言書に「養子縁組をする」と書かれていても法的には無効

遺言書での養子縁組は無効なのですね。養子縁組はどのような手続きを行えば良いのでしょうか?

役所に養親・養子が届出書と戸籍謄本を持参し、届け出を行うことで成立します。

養子縁組は養親・養子の合意が必要

養子縁組は養親・養子の合意が必要で、市区町村の役所に養親・養子(養子が15歳未満の場合は法定代理人)が届出書と双方の戸籍謄本を提出する事で法的な効力が生じます。

養子となる子どもの生みの親との法的な親子関係を解消し、養親と親子関係を結ぶ特別養子縁組に関しても、実親の同意・養親の年齢・養子の年齢などに定めがあり、家庭裁判所に申立てを行う必要があります。

養子縁組は遺言によって効力を生じるものでもない

遺言書に記入することで養子縁組が法的に認められることはありません。

遺言書で法的に認められる事項としては、遺贈・財産の処分・相続分の指定、遺産分割の方法・指定などの遺産に関すること、子どもの認知、未成年後見人の指定、遺言執行者の指定などです。

代替案

知っておきたい相続問題のポイント
  • 生前に養子縁組をしておくことで相続人となる
  • 生前贈与・死因贈与・遺贈で財産を譲ることができる

どうしても遺産を譲りたい人がいるのですが、どうしたら良いでしょうか?

生前に養子縁組をしておくことで相続時には相続人となります。生前贈与・死因贈与・遺贈という方法もあります。

生前に養子縁組をする

生前に養子の合意を得て養子縁組の届け出を提出し、養子とする方法です。 遺言書に養子に相続させたい遺産の種類や割合などを書くことで、財産を譲ることができます。

生前贈与をする

財産を譲りたい人に生前贈与を行います。 生前贈与は、口頭の契約でも成立しますが、贈与契約書を作成することで贈与があったことの証明ができます。 贈与税には「暦年課税」と「相続時精算課税」という2つの課税方法がありますが、「相続時精算課税」の申告をしていない場合は、暦年課税となり年間110万円以内であれば贈与税がかかりません(この場合、贈与税の申告は不要。)。

死因贈与をする

贈与者が亡くなることで効力が生じる贈与を「死因贈与」と呼びます。 死因贈与は贈与契約の1種であり、遺贈とは異なりますが民法554条では「贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する」と規定されています。 死因贈与は契約書が無く口頭でも成立しますが、後のトラブルを回避するために贈与契約書を作成しておくことが望ましいでしょう。

遺贈をする

遺贈とは、遺言者が亡くなった後に遺産を無償で譲与することで、相手は相続人でなくても構いません。

遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」があります。包括遺贈とは遺産の全部または一部を遺贈するもので、「Aに遺産の〇割(〇%)を遺贈する」といった方法で示されたものです。

包括遺贈を受ける人は、相続人と同じ権利を持ち、相続人とともに遺産を共有した状態で、債務も承継し遺産分割に参加することになります。 一方で、特定の物や権利、一定額の金銭など、遺産を具体的に特定して遺贈することを特定遺贈と呼びます。受遺者(遺産を受け取る人)は、特定の財産を取得することができますが、相続人としての権利はなく遺産分割協議に参加しない、債務を承継しないという点が包括遺贈と異なります。 遺贈・死因贈与は共に課税対象となります。 財産を受け取ることで負担が生じることもありますので、受遺者には放棄する権利が認められています。

まとめ

遺言書と養子縁組について、財産を譲りたい方に譲渡する方法についてお伝えしてきました。遺言書では養子縁組について記載されていても法的には無効となります。養子や他の相続人の意向を聞きながら、別の方法を検討してみましょう。検討の時には、相続に強い弁護士に相談することをおすすめいたします。

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