遺言執行者が必要なケースや、選任するメリット・デメリットを解説いたします。
ざっくりポイント
  • 遺言執行者は遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う
  • 相続の状況によっては、遺言執行者を選任する必要性が高いケースがある
  • 遺言によって認知や相続人の排除をする場合は、遺言執行者の選任が必要
目次

【Cross Talk 】遺言執行者を選任する必要のある相続のケースとは?

遺言をスムーズに進めるために、遺言執行者という制度があると聞きました。

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために相続関連の手続きをする人です。相続のケースによっては遺言執行者を選任する必要性が高いほか、選任しなければならないケースもあります。

遺言を実現するために手続きをするのが、遺言執行者の任務なんですね。メリットやデメリットも教えてください!

遺言執行者を選任すべきケースや、選任するメリット・デメリットを解説いたします。

遺言執行者を選任すると、相続に関する様々な手続きを遺言執行者が実行できるようになります。 相続のケースによっては、遺言執行者を選任すると手続きをスムーズに進めることが期待できるほか、遺言執行者を選任しなければならないケースもあります。 そこで今回は、遺言執行者を選任すべきケースや、メリット・デメリットなどを解説いたします。

遺言執行者とは

知っておきたい相続問題のポイント
  • 遺言執行者は遺言の内容を実現するために、相続関連の手続きを行う
  • 遺言執行者の任務として遺産の分配・相続登記・預貯金の解約などがある

遺言執行者はどのような手続きを行うのですか?

遺言執行者は遺言の内容に従って、遺産の分配や相続登記など、相続に関する様々な手続きを行います。

遺言執行者とは

遺言執行者とは、遺言書に記載された内容を実現するために、相続関連の手続きを行う人です。 遺言執行者に就任した場合、被相続人(亡くなった人)が作成した遺言の内容に従って、遺産の分配や相続登記など、遺言の内容を実現するために必要な手続きをします。 遺言執行者を指定するかどうかは原則として自由であり、指定しないこともできますが、一定の場合には遺言執行者を指定しなければならない場合があります。

遺言執行者を選任しておくと行ってもらえること

遺言執行者がどのような任務を行うかは、民法に規定されています(民法第1012条第1項)。 民法において、遺言執行者は遺言の内容を実現するために、遺産の管理などの遺言の執行に必要な一切の行為をする権利と義務を有しているとされます。 遺言執行者の具体的な任務としては、遺産の管理や処分、遺産の調査や引き渡しの請求、不動産登記や預金の解約などがあります。

どのような人が遺言執行者となるのか

遺言執行者を選任する方法として、遺言で指定する方法と、家庭裁判所に選任してもらう方法があります。 遺言によって遺言執行者を指定する場合、未成年者などの一定の欠格事由に該当する場合を除いて、基本的に誰でも遺言執行者になることができます。

例えば相続人、親族、友人、弁護士などを遺言執行者に指定することが可能です。 指定された人は就任を拒否することもできるので、遺言で指定する前に、本人からあらかじめ同意を得ておくことが重要です。 家庭裁判所に申立てをする場合、候補者を推薦することはできますが、必ず候補者が選ばれるとは限りません。 家庭裁判所の判断で、候補者以外の人が遺言執行者に選ばれる可能性もあります。

遺言執行者を選任するメリット・デメリット

知っておきたい相続問題のポイント
  • 遺言執行者を選任する主なメリットは、遺産を安心して任せやすいことである
  • 相続手続きの知識・経験がない人が遺言執行者になると、手続きがスムーズに進まない可能性がある

遺言執行者を選任すると、どのようなメリットやデメリットがありますか?

遺言執行者を選任する主なメリットは、遺産をきちんと管理してもらえることです。ただし、相続手続きに詳しくない人が遺言執行者になってしまうと、かえって手続きがスムーズに進まなくなる可能性があります。

遺言執行者を選任するメリット

遺言執行者を選任する主なメリットは、遺産のきちんとした管理が期待できることです。 遺産をめぐるトラブルとして、被相続人の金銭を勝手に持っていかれてしまったり、被相続人の不動産を勝手に売却されたりなどがあります。

相続手続きを安心して任せられるような遺言執行者を指定しておけば、相続の対象となる財産をきちんと管理してもらえることが期待できるので、上記のようなトラブルを防止しやすくなります。

遺言執行者を選任するデメリット

遺言執行者を選任する主なデメリットは、相続手続きに詳しくない人が就任した場合に、任務がきちんと行われない可能性があることです。 遺言執行者の任務には、相続人の確定や不動産登記など、相続手続きの知識や経験がなければ対応が難しい手続きもあります。

手続きに詳しくない人が遺言執行者になった場合、任務がきちんと行われないことで、かえって相続手続きがスムーズに進まない場合があるので注意しましょう。

遺言執行者を選任すべき主な5つのケース

知っておきたい相続問題のポイント
  • 遺産の規模が大きく手続きが複雑になる場合などは、遺言執行者を選任する必要性が高い
  • 遺言による認知や相続人の排除をする場合は、遺言執行者を選任する必要がある

遺言執行者を選任すべきケースとして、どのようなものがありますか?

遺産の規模が大きい場合などは、遺言執行者を選任する必要性が高いケースです。次に、遺言によって認知や相続人の排除をする場合は、遺言執行者を指定する必要があります。

遺産の規模が大きく手続が複雑になる

遺産の規模が大きい場合は、遺言執行者を選任する必要性が高くなります。 被相続人が生前に多くの不動産や預貯金の口座を持っていたなど、遺産の規模が大きい場合は、複数の不動産の名義変更や預貯金の解約が必要になるなど、手続きが複雑になりがちです。

遺言執行者を指定しておけば、相続に関する手続きを基本的に単独で実行できるようになるので、複雑な手続きをスムーズに進めやすくなります。

遺言で不利になる相続人がいてスムーズな協力を望めない

遺言によって不利な相続となる相続人がいる場合、手続きに協力しないことで、相続がなかなか先に進まないという事態になりがちです。 遺言執行者を選任しておけば、協力しない相続人に代わって単独で必要な手続きをできるので、上記のようなトラブルを防止することにつながります。

遺言で認知をする

遺言で認知をする場合、遺言執行者を選任しなければなりません。 認知とは、法律上の婚姻関係によらずに生まれた子どもを、自分の子どもであると認める行為です。 法律上の婚姻関係から生まれた子どもは認知は不要ですが、法律上の婚姻関係によらずに生まれた子どもについて、父親との法的な親子関係を成立させるには、認知の手続きが必要です。

遺言によって認知をする場合、遺言執行者を指定する必要があります。 子どもを認知する遺言書がある場合、遺言執行者は就任から10日以内に、子どもの本籍地などの役所で認知の届出をしなければならないからです。

遺言で相続人の排除をする

遺言によって相続人の排除をする場合、遺言執行者を選任しなければなりません。 相続人の排除とは、相続させるべきではないと思われる一定の事情がある相続人に対して、相続権を失わせる制度です。

相続人の排除が認められる要件は民法に規定されており、要約すると以下のようになります(民法第892条)。

・被相続人を虐待した場合
・被相続人に対して重大な侮辱をした場合
・その他の著しい非行があった場合

遺言によって相続人の排除をするには、遺言執行者を指定する必要があります。 被相続人が亡くなって相続が発生すると、家庭裁判所に相続人の排除の申立てをしますが、申立てをできるのは遺言執行者に限られるからです。

相続後に家族に手続きをする負担をかけたくない

相続に関する手続きの負担を家族にかけたくない場合は、遺言執行者を選任する必要性が高くなります。 遺言執行者がいない場合、相続手続きに必要な書類を収集したり、遺産の名義変更や解約をしたりなど、様々な手続きを相続人が自分たちでしなければなりません。

遺言執行者を選任しておけば、手続きを基本的に単独で行えるようになるので、相続人である家族に負担がかかりにくくなります。 ただし、手続きに詳しくない相続人を遺言執行者に選んでしまうと、その人だけに重い負担がかかってしまうので、注意しましょう。

相続手続きについて家族に負担をかけたくない場合は、弁護士などの専門家を遺言執行者に指定する方法もあります。

まとめ

遺言執行者は遺言の内容を実現するために、遺産の管理や預金の解約など、相続に関する手続きを行う人です。 相続の状況によっては遺言執行者を選任する必要性が高いケースがあるほか、遺言によって認知をするなど一定の場合には、遺言執行者を選任しなければならないケースもあるので注意しましょう。 相続手続きが複雑な場合などは、弁護士などの専門家に依頼して遺言執行者になってもらうことで、相続手続きをスムーズに進めやすくなります。

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