相続において具体的にどのようなことをするのか、相続手続の概要を解説します。
ざっくりポイント
  • 遺言書を作成しておくと、遺産をめぐっての相続人の争いの防止を期待できる
  • 遺言がない場合は、遺産をどのように分配するかなどについて、遺産分割協議で話し合う
  • 遺言がある場合は、基本的に遺言の内容に従って相続の手続を進めていく
目次

【Cross Talk 】相続の手続ってどんなことをするの?

これから私の父母が亡くなった場合や、私自身が亡くなってしまった場合、遺された財産はどのように分配されるのでしょうか? 今からできる対策はなにかありますか?

遺言書を作成する場合には遺言書に従った分配がされます。なので、遺産をめぐっての相続人の争い防止を期待できます。他方、遺言がない場合は、遺産をどのように分配するかなどについて、遺産分割協議で話し合うことになります。

今後の相続に備えて、どのようなことをすべきか教えてください。

相続の具体的な手続や、相続に備えての対策などを解説します。

自分が亡くなると、預貯金や不動産などの遺産を配偶者や子どもなどが相続する、というのが相続の基本的なイメージです。 ところが、いざ相続を意識する段階になると、具体的にどのような手続をするのかははっきりわかっていない、という場合が少なくありません。 そこで今回は、相続の手続として具体的にどのようなことをするのかを、基本的な相続対策も含めて解説いたします。

生前の自分の相続に備えた対策に何をするのか

知っておきたい相続問題のポイント
  • 有効な遺言書を作成しておくと、遺産をめぐる争いなどの防止が期待できる
  • エンディングノートは原則として法的な効力はないが、さまざまなことを記載できる

私の遺産をめぐって相続争いが発生しないか心配です。どのような対策がありますか?

有効な遺言書を作成しておくと、原則として遺言の内容に基づいて遺産を分配することができるので、相続争いの防止などに効果的です。

死後に遺族がもめないように遺言書・エンディングノートを

死後に遺族がもめないようにするには、遺言書やエンディングノートを活用することが重要です。 民法における遺言とは、自分が亡くなって相続が発生する場合に備えて、遺産をどのように処分するのかなどの意思表示をしておくことです。遺言が記載された書面を遺言書といいます。

遺言は民法が定める方式を満たさなければ効果が生じません。民法は遺言の方式として自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類を定めています。 有効な遺言が行われた場合、相続は原則として遺言の内容を優先して行われるので、遺産をめぐる争いなどを効果的に防止することが期待できます。

エンディングノートとは、自分が亡くなった場合に備えてさまざまなことをノートに記載しておくことです。 民法における遺言書とは異なり、エンディングノートには原則として法的な効力は認められませんが、さまざまなことを記載できるのが特徴です。 例えば、重病や不慮の事故に場合に家族にどうしてほしいか、介護や葬式をどうするか、自分の死後にペットの世話をどうしてほしいかなどです。

相続税対策などのために生前贈与などを

遺産が高額な場合などは、相続税が発生する可能性があります。相続税は原則として現金で一括納付しなければならないので、相続税が発生すると相続人にとっては負担になりがちです。 将来に発生すると考えられる相続税を減らすには、生前に遺産を少しずつ贈与する方法があります。ただし、贈与をしすぎると今度は贈与税が発生するのが悩みどころです。

そこで検討できる方法として、「年間に1人あたり110万円を限度に贈与する」があります。 贈与税の基礎控除額が年間で110万円であることを利用する方法です。110万円までは贈与税が発生しないので、その範囲内で贈与するのがポイントです。

ただし、定期贈与と判断されると贈与税が課税される可能性があるので、詳しくは相続に詳しい弁護士や税理士などの専門家にご相談することをおすすめします。

死後の手続き遺族は何をするのか

知っておきたい相続問題のポイント
  • 被相続人が亡くなって相続が開始すると、遺産分割や相続放棄などの手続をする
  • 遺言書によっては、家庭裁判所に提出して検認をする必要がある

被相続人が亡くなってから、遺族は相続においてどのような手続をする必要がありますか?

被相続人が亡くなって相続が開始すると、原則として相続人が話し合って遺産分割をし、必要に応じて相続放棄などを検討します。有効な遺言書がある場合は、基本的に遺言書の内容に基づいて相続の手続を進めます。

遺産相続の手続き概要

相続人が複数いる場合、遺産分割の手続をします。 遺産分割とは、誰がどの程度の割合で遺産を受け継ぐかを決定することです。遺産分割のための相続人の話し合いを、遺産分割協議といいます。 遺産分割協議は原則として、相続人全員で行わなければなりません。遺産分割協議で決定した内容は、遺産分割協議書という書類に記載しておきます。

遺産の中に不動産がある場合、不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続も重要です。一般に相続登記と呼ばれる手続です。 登記の期限などは特に定められていませんが、相続登記をしないと不動産を売却するなどの一定の行為ができないので、早めに登記を済ませておくのが安全です。

遺産の中に預貯金がある場合は、預貯金の払い戻しの手続きをする必要があります。金融機関によって必要書類が異なる場合があるので、各金融機関に早めに確認しておきましょう。 相続税が発生する場合には、期限までに相続税を納付する必要があります。相続税の期限は原則として10ヶ月以内(被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内)です。 期限を過ぎると特例などが受けられなくなる場合があるので、早めに手続を進めましょう。

相続放棄・限定承認をする場合

相続をしても借金ばかりを背負うことになるなど、何らかの理由で遺産を相続したくない場合は、相続放棄や限定承認をする選択肢があります。

相続放棄とは文字通りに相続を放棄する行為です。相続放棄をすると、最初から相続人ではなかったものとして扱われるので、遺産を相続せずにすみます。 ただし、相続放棄をすると借金などの消極財産(不利益となる遺産)だけでなく、預貯金や不動産などの積極財産(利益となる遺産)も相続できなくなるので注意しましょう。

限定承認とは、相続によって得た遺産を限度として、被相続人の債務を引き継ぐ行為です。 例えば、相続によって取得する遺産が500万円で、相続する借金が1000万円の場合、限定承認をしなければ遺産を処分しても500万円の借金が残ってしまいます。 限定承認をした場合、相続によって取得する500万円の限度でのみ借金を負担するので、残りの500万円については借金を背負わずにすみます。

特定の遺産を手元に残したいものの、被相続人の借金がどのくらいあるか不明な場合などに、限定承認は有効な選択肢になります。 ただし、相続人が複数いる場合は、全員が賛成しなければ限定承認をすることはできません。

遺言書がある場合

遺言書がある場合は、原則として遺言書に記載された内容に従って相続の手続をします。 遺言書の種類が自筆証書遺言または秘密証書遺言の場合、原則として検認という手続をしなければなりません(自筆証書遺言で法務局の保管制度を利用した場合を除く)。 検認とは、遺言書を管轄の家庭裁判所に提出して確認してもらうことで、遺言書の偽造や変造を防止するための手続です。

検認の手続が完了したら、基本的に遺言書に記載された内容に基づいて相続の手続を進めていきます。 公正証書遺言は作成時に公証人によって確認されているので、検認の手続はありません。検認をすることなく、遺言書の記載内容に基づいて手続を進めます。

まとめ

遺言書がある場合、相続の手続は基本的に遺言の内容に従って行われます。遺言書がない場合は、原則として相続人全員で遺産分割協議をして、遺産をどのように分割するかを決定します。 具体的な相続手続としては、遺産の内容によって相続登記、預貯金の払い戻し、相続税の納付などが必要になります。遺産を相続したくない場合は、相続放棄なども検討します。 相続の全体的なイメージをつかみつつ、各手続を確実に実施していくことが大切です。

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この記事の監修者

弁護士 境野 秀昭第二東京弁護士会
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