死亡退職金は相続ではどのように扱われるか確認をする
ざっくりポイント
  • 死亡退職金とはどのようなものか
  • 死亡退職金は相続財産となるか
  • 死亡退職金を受け取った場合の相続税の計算
目次

【Cross Talk】夫が亡くなり死亡退職金を受け取る!これってどう相続すればいいの?

先日会社員だった夫が亡くなりました。夫の会社には死亡退職金の制度があって、私が受取人となったのですが、死亡退職金は相続財産になるのでしょうか。

死亡退職金といってもどのような制度になっているかによって取り扱いが異なります。また、相続税の対象になる場合もあるので、慎重に判断することが必要です。

相続における死亡退職金の取り扱いを確認しよう

会社に勤めている方が亡くなった時に支払われる死亡退職金についての取り扱いはどのようにすべきでしょうか。 もし相続財産に含まれるとするのであれば、遺産分割の対象になるのですが、含まれないとするのであれば遺産分割の対象になりません。遺産分割の対象となるのかという問題と同時に相続税における課税の対象となるか、という問題があります。

死亡退職金は相続財産になる?

知っておきたい相続問題のポイント
  • 死亡退職金とはどのようなものか
  • 死亡退職金は相続財産に含まれるのか

死亡退職金は相続財産に含まれるのでしょうか。

ケースバイケースになるので詳しく見てみましょう。

死亡退職金は相続財産に含まれるのでしょうか。 死亡退職金の定義と相続における取り扱いを説明します。

死亡退職金とは?

死亡退職金とは、会社員が死亡したときに、本来本人が受け取るはずであった退職金について家族が受け取ることができるものとするものです。

原則的に死亡退職金は相続財産にならない

死亡退職金については、被相続人本人が受け取るべきだった金銭と考えれば相続財産の対象になるという考え方と、万が一の時に備えて受取人の生活の保障を目的とする金銭と考えて相続財産の対象にならないという考え方があります。 この点について最高裁判例は、後者の考え方をとって、原則として、相続財産とはみなさず、受取人の固有の権利として判断しました。( 最判昭和55年11月27日)。 そのため、原則として、死亡退職金は相続財産に当たらず遺産分割の対象になりません。 したがって、仮に相続財産が借金だけで相続放棄をしている場合であっても、原則として、死亡退職金は相続とは関係なく受け取ることができます。

例外的に死亡退職金は相続財産に含まれる場合がある

ただし、上記の判例には実はもう少し詳しい事が記載されてあり、「受給権者の範囲、順位につき民法の規定する相続人の順位決定の原則とは異なる定め方がされている場合には、死亡退職金の受給権は、相続財産に属さず、受給権者である遺族固有の権利である」としています。 表現が難しいのでかみ砕いて説明すると、死亡退職金に関する規定が、相続財産として取り扱うわけではなく遺族の生活保証を目的としている、と考える場合に、遺族固有の権利であるとされています。 そのため、人事制度がきちんと整っておらず、誰に死亡退職金を支払うのか不明になっているような場合には、遺族の生活保障を目的としているとは言えないので、遺族固有の権利ではなく、死亡退職金を相続財産として取り扱うことになります。 この場合、死亡退職金も含めて遺産分割協議を行うことになります。

死亡退職金が相続財産にならないのに相続税の課税対象になる?

知っておきたい相続問題のポイント
  • 死亡退職金は相続税における「みなし相続財産」となる

相続財産として法律上どのように扱われるかについてはよくわかりました。相続税の課税との関係ではどのように扱われるのでしょうか?

死亡退職金は「みなし相続財産」として相続財産に含んだ上で相続税を計算する可能性があります。

死亡退職金は民法との関係では相続財産として扱わないことになったとしても、相続税との関係では相続税の対象になることがありますので注意が必要です。 相続税を課する元となっている相続税法は、税金の賦課徴収という別の目的を持つ法律です。相続税法はお金持ちが子孫にわたるまで永遠にお金持ちでありつづけることによって貧富の格差ができてしまうことを防止するために「富の再分配」を行うことを目的としています。 そのため、民法的には相続財産とはいえないものであっても、被相続人と相続人間の富の移動と判断できる場合には「みなし相続財産」として計算するようにしています。

そして死亡退職金は、下記の要件を満たすと、「みなし相続財産」に含まれるとしています(相続税法3条2号)。

・被相続人の死亡により相続人その他の者が当該相続人に支給されるべきであった退職金 ・被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合

死亡退職金が高額になり、本来の相続財産と相まって基礎控除額を超えるような場合には、相続税の申告・納税が必要になることを知っておきましょう。

死亡退職金は非課税になる部分がある

知っておきたい相続問題のポイント
  • 死亡退職金の非課税の部分

死亡退職金が相続税に含まれることがあるのはわかりました。こちらは非課税の制度はないのでしょうか。

相続人以外の人が受け取った場合でない限り法定相続人の数×500万円が非課税となります。

死亡退職金の非課税となる部分についてまとめます。

非課税にならない場合

まず、相続税法12条6号は非課税の制度について規定していますが、こちらについては「相続人」とされていることから、相続人以外の人が死亡退職金を受け取った場合には非課税の制度はないということになります。 相続人であっても相続放棄を行った人は、民法で最初から相続人ではなかったことになるため(民法939条)、同様に非課税とはなりません。

相続税が非課税になる場合の非課税額

相続人が死亡退職金を受け取る場合には、「法定相続人の数×500万円」が非課税枠となります。

死亡退職金がある場合の相続税の計算の具体例

知っておきたい相続問題のポイント
  • 死亡退職金がある場合の相続税計算について

ここまで言葉としてはわかったつもりなのですが、実際の計算のイメージが湧かないのですが…。

それでは実際の計算例を見てみましょう。

それでは、実際にどのような計算をするかを説明します。 まず、退職金として、配偶者に2,000万円・子に1,000万円の計3,000万円の死亡退職金が発生するとします。 この際に相続人は配偶者・子の2名となりますので、(500万円×2)で1,000万円が相続税の非課税枠となります。つまり、2,000万円を相続財産として相続税を計算することになるのです。

まとめ

このページでは、死亡退職金と相続税の関係性についてお伝えしてきました。 死亡退職金については民法では相続財産の対象にはならない一方で、相続税法では「みなし相続財産」として相続税の課税対象になる、という基本的な考え方をお伝えいたしました。 しかし、実際に死亡退職金が相続税の対象になるかどうかは個々の事情によって変わりますので、弁護士・税理士といった専門家に相談をするようにしましょう。

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