成年後見の申立ての際に兄弟が同意書を書いてくれない場合の対応方法
ざっくりポイント
  • 成年後見の申立ては書類を提出して行う
  • 成年後見の申立書類の一つに兄弟などの親族からの同意書を提出する
  • 親族などの同意書を得られない場合でも申立ては可能
目次

【Cross Talk 】母の兄弟が成年後見の同意書を書いてくれないのですが…

母が認知症を患っており成年後見の申立準備をしています。その中で親族の同意書が必要であるとして、母の兄弟…私からすれば叔父・叔母にあたる人たちにも同意書をもらおうとしているのですが、世間体があるのか「お母さんはボケてない!同意なんかできない!」と同意書を書いてくれません。

同意書が無くても申立ては可能です。ただ鑑定が行われるなどで少し費用がかかるかもしれません。

そうなんですね!相談してよかったです。注意点などもあれば教えて下さい。

成年後見の申立てに必要な同意書が無くても申立ては可能だが注意点も

成年後見は家庭裁判所の審判に基づいて始まるため、家庭裁判所への申立てが必要になります。この申立てにあたっては様々な書類を提出することになるのですが、その中の一つに親族の同意書があります。兄弟姉妹がいるような場合にはその同意書も基本的には提出することになります。 しかし、世間体を気にするなどを理由に、申立てに反対するために同意書の提出を拒まれることもあります。この場合、同意書が無くても申立て自体は可能ですが、鑑定が行われる可能性が高くなるなど注意点があります。

成年後見の申立てをするのに兄弟が同意書(意見書)を書いてくれない

知っておきたい相続問題のポイント
  • 成年後見の申立てをするのに同意書(意見書)を提出する
  • 同意書を書いてもらえない場合も申立てはできる。

成年後見の申立てに本人の兄弟の同意書(意見書)が無くても申立てはできるんですね。

はい、特に親族の同意は申立てのための要件とはされておらず、成年後見が必要かどうか・成年後見人に就任予定の者が適切かどうかを判断する一助とするのにすぎません。

成年後見の申立てをするのに兄弟が同意書を書いてくれない場合の対応方法について確認しましょう。

どのようなケースか確認

成年後見の申立てをするのに兄弟が同意書を書いてくれない、というケースがどのような場合に発生するかを確認しましょう。 成年後見の申立てをする場合、本人が「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある」という状態であることが必要です。 認知症や精神疾患などでこのような状態になる人が多いのですが、このような状態にあることを隠したいと考える人も多く、その結果必要に迫られて申立てをしようとしても同意はしないという方もいらっしゃいます。

親族の同意書(意見書)とは

成年後見を利用するためには家庭裁判所に申立てをして、審判をもらう必要があります。 そこで、まずは家庭裁判所に申立てをします。 この申立てにあたっては申立書のほかに家庭裁判所が指定する書類の提出が必要です。 その中に親族の同意書(東京家庭裁判所・東京家庭裁判所立川支部の管轄では「意見書」)が必要とされています。

この同意書には、氏名と続柄、後見の利用について賛成するか反対するか、後見人の候補者として推薦される人が後見人となることに賛成するか反対するか、といったことが記載されます(東京家庭裁判所の意見書の場合)。 同意に反対する親族がいるような場合、この同意書の中で反対することがあるのですが、そもそも同意をしないため同意書を渡さないということが考えられるのです。

親族の同意書(意見書)が無くても申立てをすることができる

では実際に親族の同意書をもらえなかった場合にはどうすれば良いのでしょう。 この場合、親族の同意書が無くても申立て自体はすることが可能です。 裁判所に親族の同意書をもらっていない旨を伝えて他の書類を揃えて申立てを行いましょう。 成年後見の申立てにあたって、親族の同意が必要とは規定されていません。 親族の同意書は、本人が「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある」か、成年後見人の候補者が本人保護のためにふさわしい人かどうかを家庭裁判所が判断するための材料にすぎません。

兄弟が同意書(意見書)をくれなさそうな場合の注意

知っておきたい相続問題のポイント
  • 鑑定が行われ費用の出費がある可能性がある
  • 後見人候補者について意見を述べられる可能性がある

なるほど…では同意書を書いてくれない状態で申立てをするときに何か注意をすることはありますか?

鑑定が行われる可能性が高くなるのと、後見人候補者の意見をしてくる可能性があります。

兄弟が同意書を書いてくれない場合の注意点はどのようなものでしょうか。

鑑定をする可能性がある

同意書を書いてくれない兄弟などの親族がいるような場合に、そのまま申立てをすると、家庭裁判所は同意をしなかった親族に意見を求めることになります。 ここで、「本人は認知症(or精神疾患)ではない」と主張されると、申立ての際に医師の診断書が添付されていても、家庭裁判所としても本人の状態を詳しく調べる必要があります。 そのため、「鑑定」という手続きが行われる可能性が高まります。

鑑定は、裁判所が判断をするために専門家の知恵を借りる手続きで、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある」かどうかを判断するために、裁判所から選任される医師が本人の状態を確認することになります。 この手続が発生すると10万円程度の費用がかかることになります。 親族が同意書を書いてくれないような場合には、同意をしないことによって10万円程度の費用が発生して、もったいない旨を伝えて交渉するのも良いでしょう。

後見人について意見をする可能性がある

後見人に就任してもらう人があらかじめ決まっている場合には、申立ての段階で後見人就任予定者として提出します。 この後見人が適切かどうかに対して、同意していない後見人が意見をしてくることがあります。 例えば、親族がそのまま後見人になろうとしている場合に、「自分のほうが適切だ」と主張したり、専門家に依頼しようと思っている場合に、「そんな部外者に任せられない」と主張してくることがあります。 後見人は本人のために選ばれるものなので、その人が適切であることや、いままで親族が申立てに反対してきた経緯なども伝えて、候補者が適切であることを家庭裁判所に説得的に伝えられるようにしましょう。

まとめ

このページでは、成年後見の申立てをするのに兄弟が同意書(意見書)を書いてくれない場合についてお伝えしてきました。 申立て自体はできるのですが、手続きの中で反対をする人がいることによって、家庭裁判所が審判をする際により慎重になることが考えられます。 このような場合には、申立てにあたっても弁護士に相談・依頼してスムーズに成年後見を申立てられるようにしましょう。

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この記事の監修者

弁護士 水口 健太東京弁護士会
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