任意後見契約と公正証書について確認
ざっくりポイント
  • 任意後見制度を利用するには任意後見契約を行う
  • 任意後見契約は公正証書を作成して行う
  • 任意後見契約をするための公正証書作成の流れを知る
目次

【Cross Talk 】任意後見契約をする際には公正証書を作ると聞きましたが、どういうものでしょうか。

私は、老後に備えて任意後見契約を利用しようと思っているのですが、公正証書というものを作成するということを見ました。名前は聞いたことがあるのですがあまりピンとこないので、詳しく教えてもらえませんか?

任意後見契約は公正証書を作成して行います。公正証書とは、公証人に嘱託をして公証人に作成してもらう文書のことをいいます。作成の手続きと一緒に確認しましょう。

よろしくお願いします。

任意後見契約に必要な公正証書とは?作成手続きについても解説

任意後見制度に必要不可欠な手続きとして、任意後見契約が挙げられます。この任意後見契約を結ぶ際に公正証書が必要とされているのですが、公正証書とはどのようなものなのでしょうか。 任意後見契約を結ぶ際の公正証書作成の手続きと一緒に確認しましょう。

任意後見契約は公正証書で行う

知っておきたい相続問題のポイント
  • 任意後見契約は公正証書で行うことが任意後見契約法で定められている
  • 公証人に嘱託をして公証人に作成してもらう文書のことをいう

公正証書とはどのようなものなのでしょうか。

公証人に嘱託をして公証人に作成してもらう文書のことをいいます。公証人が作成することで、文書が作成名義人の意思に基づいていることの証明が働くものです。

任意後見制度の利用にあたって不可欠となるのが任意後見契約です。 任意後見契約を結ぶ際に公正証書を作成する必要があるのですが、なぜ必要なのか、公正証書とはどのようなものなのかを確認しましょう。

任意後見契約とは

任意後見契約とは、任意後見制度を利用するために不可欠な契約で、日常生活に必要な判断能力がなくなった際に、生活や療養看護・財産管理の事務を委託する契約のことをいいます。 法律上の定義については、任意後見契約に関する法律2条1号に規定されています。 任意後見制度は、判断能力がある間に、判断能力がなくなったときに任意後見人として、自分の生活にかかせない法律行為をしてもらう方を自分で決めておく制度です。 この制度の利用にあたって、判断能力が十分なうちに任意後見契約を結んで任意後見人となる方と、どのような事務について代理してもらうかについて決めておきます。

任意後見契約は公正証書で行う

通常の契約は、申込と承諾があれば成立するのが基本です。 例えば売買契約については、ある物の購入について買主が売主に対して申し込みを行い、売主がこれに対して承諾をすれば、成立します。 しかし、任意後見契約については、その契約が重大なものであることに鑑みて、本人の意思をしっかり確認することが要求されており、契約内容が法律に従ったものである必要があります。 そのため、法律に関する深い経験と知識を持っている公証人が作成する公正証書によって行われる旨が規定されています(任意後見契約法4条)。

公正証書とは

公正証書とは、公証人に嘱託をして公証人に作成してもらう文書のことをいいます。 公証人は当事者の意思に基づいてこれを作成するので、作成名義人の意思に基づいて作成されたという推定が強く働くことになります。 公正証書はさまざまなシーンで利用されます。 例えば契約書を公正証書で作成すると、強制執行をするために裁判を起こすことが不要になったりします(執行力)。 また、公証人の面前で本人の意思を確認して行われる、公正証書による遺言を行うと、死後の家庭裁判所での検認が不要となります。 任意後見契約のような重要な契約についても、本人の意思を確認する趣旨で、公正証書とすることが定められているのです。

任意後見契約締結のための公正証書作成の流れ

知っておきたい相続問題のポイント
  • 任意後見契約締結の流れ
  • 公正証書の作成方法

どのようにして任意後見契約を締結するための公正証書がつくられるのですか?

おおまかな流れを確認しましょう。

公正証書を作成して行う任意後見契約締結までの流れを確認しましょう。

任意後見人となる人を選ぶ・契約内容を確定する

まず公証役場で公正証書を作成する前提として、契約内容となる任意後見人になる方を選ぶことと、どのような事務を委任するかの確定を行います。 公正証書の作成は、本人と任意後見人になる方とで、公証役場にて行うこととなります。

公証役場で受付を行う

事前に予約をして、本人と任意後見人となる方が、必要書類を持って公証役場に行きます。 もし、本人が入院中などで出向くのが難しい場合には、公証人に出張してもらうことも可能となります。

公正証書の作成日

特に問題なければ、公証人が指定した日に、本人・任意後見人が公証役場に行きます。 作成された公正証書を閲覧し、間違いが無ければ署名・捺印して作成が完了します。 公正証書の原本は公証役場で保管され、正本・謄本が当事者に渡されます。 この公正証書の正本・謄本は、任意後見監督人の選任の申立てをする際の必要書類となりますので、大事に保管する必要があります。

まとめ

このページでは、任意後見契約の概要と公正証書についてお伝えしました。 任意後見契約の内容などについて不明なことがあるのであれば、早めに弁護士に相談してみましょう。

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この記事の監修者

弁護士 岩壁 美莉第二東京弁護士会 / 東京第二弁護士会 司法修習委員会委員
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