個人事業主が亡くなった場合の相続手続きを確認する
ざっくりポイント
  • 個人事業主が亡くなったときに発生する手続きと注意点を確認する
目次

【Cross Talk】個人事業主が亡くなった!その時に何をやらなければならないのか

父が亡くなりまして、母と私で相続をすることになりました。父は個人事業主だったのですが、個人事業主に関して何か相続で気を付けておくことはありますか?

個人事業主に関する手続きと準確定申告です。そのほか、商売をするのに大きな借金をしているような場合には相続放棄の期間にも気を付けてください。

個人事業主の相続で注意するポイントを知ろう

個人事業主が亡くなった場合には注意すべきポイントがたくさんあります。 個人事業主は通常税務署に個人事業主の開業届を行っている関係で、廃業に関する手続きが必要です。

またサラリーマンと違って個人事業主は確定申告をする必要があるのですが、個人事業主が亡くなった場合には亡くなった年についての確定申告を死亡を知ったときから4ヶ月以内にする必要があります。 手続き的な注意点だけではなく、商売をしていることから個人よりも多額の借金をしている事もありますので、相続放棄については気を付けておく必要があります。

個人事業主が亡くなった場合の固有の手続

知っておきたい相続問題のポイント
  • 個人事業主が亡くなった時の税務署関連の手続きを知る
  • 準確定申告の必要があることを知る

まず、個人事業主が亡くなった場合にしなければならない手続きにはどのようなものがあるのでしょうか。

個人事業主は通常税務署に個人事業主の開業届を提出しています。これは税務署での手続きになりますので税務署に関する手続きをまとめて知っておきましょう。 また準確定申告は期限のあるものでもあるので必ず確認しておきます。

個人事業主が亡くなった場合に法定されている手続きについて知りましょう。

所得税関係の書類提出

まず、所得税関係の届出に関するものについて見てみましょう。 個人事業主は事業を開始する際に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しているのですが、亡くなった場合には廃業の届出をしなければなりません。この提出期限は、個人事業主が死亡してから1ヶ月以内になります。 亡くなった方が確定申告において青色申告をしていた場合には「所得税の青色申告の取りやめ届出書」の提出が必要です。この提出期限は翌年の3月15日が期限になります。

亡くなった方が個人事業で従業員を雇用して給与を支払っていたような場合には、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出が必要です。こちらはすみやかに提出することとなっています。

消費税関係の書類提出

亡くなった方が消費税の納税義務者だった場合には、「個人事業者の死亡届出書」を提出します。こちらの提出は、個人事業主の死亡後に速やかに行うことが規定されています。

準確定申告

個人事業主が亡くなった時に気を付けなければいけないのはこの準確定申告です。 個人事業主は所得税の申告をするのですが、個人事業主が亡くなった場合には相続人がその年の確定申告を行う必要があります。

確定申告というと、2月16日から3月15日までに行われるイメージが強いと思いますが、個人事業主が亡くなったことにより行う準確定申告は、亡くなったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に、被相続人の1月1日から亡くなった日までの所得について、行うことになっています。

個人事業主が亡くなった場合の相続財産

知っておきたい相続問題のポイント
  • 個人事業主の相続人が何を相続するか確認する

取引先の会社の社長より、債務・借金について、会社の場合は連帯保証人になっていなければ相続しないので、個人事業主も同様なのでは?と聞いたのですが、正しいですか?

いいえ、個人事業主は会社ではないので借金・債務も相続することになります。

個人事業主の相続においては何を相続するのでしょうか。 現金・預金・自家用車・自宅など個人の生活にかかわる財産を相続することは問題ないのですが、商売用の資産はどのように考えるべきでしょうか。

株式会社などの法人の場合には、法人に帰属している財産については、個人が相続することはありません。 しかし、個人事業主についてはこのような制度ではないので、商売用の資産についても相続をします。 なお、相続においてはプラスの資産も相続しますし、借金や買掛金のようなマイナスの財産である債務も相続します。

亡くなった個人事業主の債務が多い場合

知っておきたい相続問題のポイント
  • 借金が多いときには相続放棄や限定承認を利用する

父の商売は残念なのですがあまり上手くいっておらず、借金や債務がかなりあるのですが、これは私たち相続人で払わなければならないでしょうか。

相続放棄や限定承認という借金を継がない手続きを利用しましょう。

上述したとおり、個人事業主の相続をした場合には借金や債務を引き継ぐこともあります。 事業の規模によっては、個人が銀行や消費者金融でする借金よりも多額の事業用の借金や買掛金が残ってしまっている…という事もありえます。

このような場合には相続放棄や限定承認という手続きを利用すれば借金を相続しなくても済みます。

相続人が個人事業を受け継ぐ方法

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続人が個人事業を受け継ぐ場合の手続き

場合によっては母の存命中は母が引き継ぐことも考えているのですが、この場合には手続きは必要ですか?

上記の手続きのほかに母親名義で個人事業の開業届けを出すことは忘れないでください。

相続人が個人事業を継ぐ場合の手続きについて確認しましょう。

廃業届出書などの書類提出をしなければならないのは変わりない

まず、相続人のだれかが個人事業を継ぐときでも、上記のような手続きについては行わなければなりません。 あくまで税務署への届出・準確定申告については被相続人に関する手続きとして必要になるものだと考えておきましょう。

相続人は個人事業主として開業するための書類の提出が必要

事業を継ぐ人が個人事業主として開業届を出していない場合には、その人が個人事業主として開業届を改めて行う必要があります。

相続人が屋号を引き継ぐ方法

たとえば飲食店のように、従来通りの屋号を引き継ぐ…という事もあります。 被相続人の廃業届を出したからといって、その屋号は使ってはならないというわけではありません。 個人事業主の開業届を出す際に、被相続人が使っていた屋号で登録することで、屋号を引き続き利用することが可能になります。

まとめ

このページでは、個人事業主が亡くなった場合の手続きについてお伝えしてきました。 個人事業主が亡くなった場合には、税務署の手続きとして準確定申告といった手続きがあるので注意が必要です。 また、商売をしているという特性から、人より多めに借金をしているという事もありえますので、相続放棄などの利用も考えなければなりません。 相続に詳しい弁護士や税理士に相談をして早めに手続きをすすめるように心がけましょう。

この記事の監修者

弁護士 城田 喜朗
弁護士 城田 喜朗第二東京弁護士会 / 第二東京弁護士会 犯罪被害者支援委員会委員
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