相続財産に不動産がある場合に遺産分割をどのように行うのか
ざっくりポイント
  • 不動産がある場合の遺産分割をどのように行うか
  • 共有となった不動産の分割手続
  • 不動産がある場合のトラブル回避方法
目次

【Cross Talk】相続財産に不動産ってどうやって遺産分割するの?

先日父が亡くなり、母と私たち子3人で相続をすることになりました。 相続財産の中には自宅があるのですが、母と同居している私がそのまま使うことになったのですが、この場合他の兄弟とどうやって遺産を分ければいいでしょうか。

他の相続人と交渉をして、預金や受け取った保険金を分けるなどして納得してもらえれば良いのではないでしょうか。 遺産分割の手段などについて詳しくお伝えします。

相続財産に不動産がある場合の遺産分割をどうするかその方法を知る

遺産相続にあたって相続財産の中に不動産がある場合があります。この場合にどのような遺産分割方法が良いのかは相続人の意思や遺産の内容により様々です。遺産分割をする方法としては遺産分割協議で所有権を決めてしまうのが一つの方法です。 ただし、空き家で相続人がだれも使わないような場合には、法定相続分でいったん共有とするような場合もあるでしょう。 一旦共有としたものも、その後に分割の必要がある場合には、共有物分割請求によります。不動産が資産のかなりの部分を占める場合にはトラブルにもなりかねませんので、生前から遺言・事前準備できちんと対策をしておくことも重要です。

遺産分割を行うための方法を知ろう

知っておきたい相続問題のポイント
  • 遺産は遺産分割協議を行うまでは相続人の共有となる
  • 分割をするための遺産分割協議・裁判所を利用する手続き

遺産がある場合にこれを分割するための具体的な手続きを教えてください。

遺産分割協議をおこなって同意が得られれば遺産分割協議書を作成します。同意ができない場合には調停・裁判を利用します。

まず、遺産に不動産があるか否かと問わず、相続をした財産を分割する際には遺産分割を行います。

遺産分割の仕方の例

例えば、遺産が、預金900万円・自動車100万円・不動産が2,000万円で、父A妻B子CDEという構成で父Aが亡くなりBCDEで相続したとします。 このとき、遺産は全部で3,000万円となり、相続分は妻Bが1/2、子がそれぞれ1/6ずつのとなるのが法律上の建前です。

しかし妻Bはすでに高齢で、相続の対象となる不動産である住居に子Cと同居をしているような場合には、家は妻Bと子Cが住み続けるという結論になることが多いです。 ただし、他の子DEとしても相続分がある以上、相続をしたいという意向があった場合には、家がそのまま妻Bあるいは子Cの名義になるのには不服でしょう。

この場合に話し合いをして、妻Bの面倒はCがそのまま見るという条件でDは預金のうち300万円を、Eは預金200万円と自動車を譲り受けられればよいような場合で、妻BとしてはCがそのまま面倒を見てくれるのであれば、それ以上の請求をするつもりはなく合意できるとなったとします。

法定相続分の計算からは大きくかけ離れますが、預金400万円と不動産をCが、Dは預金300万円をEは預金200万円と自動車をBは実際には1/2の相続分がありますが、協議の結果相続するものは0とすることもできます。 そのための手続きは次のとおりとなっています。

遺産分割協議

まず、当事者間で協議をして遺産分割を行います。 話し合いによって合意ができれば、遺産分割協議書を作成します。 遺産分割協議書に不動産はCの所有とする旨を記載すれば、この遺産分割協議書で相続登記をすることができます。

協議できない場合の法的な手段

遺産分割協議が整わない場合には法的な手段を利用することになります。 法的な手段というと裁判を思い浮かべる方も多いと思うのですが、遺産分割については、まず必ず調停を先に利用することとなっています。

調停とは、裁判官1名と民間人2名が当事者の主張を聞きながら妥当な結論を導き出すための手続きです。間に公的な人が入る形でそれぞれの主張を聞いてもらって出た結論によって合意を促すものです。 調停に不服であれば裁判を起こすことになります。

いったん共有とした不動産を分割するための手続き

知っておきたい相続問題のポイント
  • 共有とした不動産を分割する共有物分割請求を知る

あまり相続の話し合いをする感じではなかったので、不動産は相続人全員の共有という形でいったんは登記をしたのですが、これを分割する方法はあるのでしょうか。

共有物分割請求により、3つの分ける方法を知っておきましょう。

遺産分割協議の結果共有とした場合や、遺産分割協議がまとまらず法定相続分の割合で相続をし共有状態となった場合に後に不動産を分割する場合にはどのように行うのでしょうか。 まず、共有物はいつでも共有者が分割の請求をすることができ(民法第256条)、協議が整わないときには分割することを裁判所に請求することができます。

現物分割

まず、共有物を物理的に分割するのが現物分割です。 不動産に関して言えば、たとえば土地を分割することができるような場合にはこの方法も可能となります。

換価分割

ただ、たとえばマンションや建物を物理的に半分にするというのは現実的ではありません。 このような、現物分割ができない場合や、物理的には可能でも分割によって価値を著しく毀損するような場合には、対象物を競売して得た金額を分けるという方法での分割が定められています(民法第258条2項)。

代償分割

上記のように競売をしなければならないとすると、共有者双方ともに所有権を失うことになります。 そのような場合に、どちらか一方が金銭を用意できるのであれば、所有権を共有者のだれか一人に指定して、もう一人の共有者に金銭を分け与えるという分割の方法が合理的です。 条文にはありませんが、このような方法での分割も認められており、一般に代償分割と呼ばれています。

相続財産に不動産がある場合には遺言書や事前準備でトラブル回避を

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続財産に不動産がある場合には遺言で所有権者を指定するとトラブルが回避できる
  • 一人に不動産を相続させると相続人が得られる遺産のバランスが悪い場合には事前準備も

実際に相続発生してからだとトラブルになる可能性が高いんですね。このようなトラブルは相続という制度がある以上仕方ないのでしょうか。

事前に遺言書を準備したり、事前準備をしておくとトラブルを回避できるかもしれません。

相続財産に不動産がある場合に、分割方法でトラブルになることは良くあります。 特に相続財産のうち不動産が大きな部分を占めている場合には、相続分に近づく形で分けるのが難しいことになります。 例えば下記のような事例を想定してください。 夫Aと妻Bとの間には子がおらず、夫Aの両親もすでに他界しており、AにはCDという兄弟がいます。 あまり親戚づきあいもなかったので、相続で揉めることなどないと考えており、特に遺言をすることなく夫Aが亡くなりました。

この場合相続人は妻BとCDという事になるのですが、CDはBと接点がないのですが、自分には相続権があるということを知り、自分の持分について強行に主張するというケースです。 この場合には、夫Aは遺言で不動産の所有権を妻Bに指定しておけば、兄弟姉妹には遺留分請求権がありませんので(民法第1042条)、妻Bはトラブルに見舞われることなく不動産を取得することができます。

まとめ

このページでは、相続財産に不動産がある場合の遺産の分割についてお伝えしてきました。遺産分割は協議によって、それができない場合に調停・裁判を利用することを知っておいてください。 一旦共有としたものは、民法の共有物分割請求の規定によって処遇が決まります。 相続財産に不動産がある場合には、ない場合よりも分けづらいということもありトラブルになりがちなので、遺言書・事前準備をしておくことが望ましいといえます。弁護士に相談して死後にトラブルにならないようにしておくことが重要です。

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